ペルー国会に飲料水の質の総合管理を国益とすることを宣言する法案が提出される

2015年6月11日、ペルー国会に、飲料水の質の総合管理を国益とすることを宣言する法案No.4578/2014-CRが提出された。国民の健康を守るため、リスク管理と予防措置の観点から、源泉から住民に飲料水として供給されるまでのすべての段階での総合管理を行うことを目的とし、以下の複数の機関の代表より成る「水の質総合管理委員会」を設立することが提案されている。

  • 保健省代表2名(うち1名が委員長となる)
  • 環境省代表1名
  • 住宅、建設、上下水省代表1名
  • エネルギー・鉱物資源省代表1名
  • 生産省代表1名
  • 国家水当局(ANA)代表1名
  • 国家上下水サービス監査局(SUNASS)代表1名
  • 県議会が指名する地方政府代表1名
  • 市町村協会が指名する市町村代表1名
  • 上下水サービス公社が指名する上下水道サービス会社代表1名

法案ではこの他、保健省の環境衛生局(DIGESA)が技術面のサポートを担当することや、必要に応じて専門家や他の政府機関、民間企業の意見を乞うことが出来ること、法公布後90日以内に政府は適用規則を公布し、適用規則公布後10日以内に最初の会議を開催すること、また委員会設置と運営にあたっては政府の追加予算は不要であることが提案されている。

法案の背景として、DIGESAが2012年および2013年に11の村落で飲料水供給システムをチェックしたところ、4つは稼動しておらず、残りの7つでは上水システムの洗浄や消毒不足で大腸菌が検出されたこと、また貯水池の水質モニタリングを実施したところ、鉄分や大腸菌の値が水質基準を超えていたことが挙げられている。またDIGESAが2013年に6つの地方で実施した飲料水の水質検査では、全すべての地方において、ナトリウム、鉄、砒素、マンガン、塩化物、大腸菌、アルミニウム、硫酸塩、硬度、TDS、pHなどが基準値を満たしておらず、汚染の原因の大部分は源泉で発生していることや、2万1701ある上水システムのうち、28.58%しか衛生当局の検査を受けていないことも報告されている。

法案No.4578/2014-CRは、以下のサイトでダウンロード可能(スペイン語表記)。
http://www2.congreso.gob.pe/Sicr/TraDocEstProc/Contdoc03_2011.nsf/0/6592a39665630a7005257e61006b50d7/$FILE/PL457820150611.pdf

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