カナダのブリティッシュコロンビア州石油・ガス委員会は、同州北東部で2015年8月17日に発生したマグニチュード4.6の地震について、その原因を同地域における石油・天然ガス採掘のための水圧破砕過程における流体注入であると断定する文書を、2015年12月15日に公表した。
この結論は、同委員会が地震のデータと、震央から半径10キロメートル以内における水圧破砕の操業データを精査してくだしたものである。それによると8月の地震は、震央から1キロメートルも離れていないところでProgress Energy Canada Ltd.が操業する石油・ガス井で、水圧破砕のための流体注入が引き金になって発生した。Progress Energy Canadaはマレーシアの石油・ガス企業Petronasの子会社である。この結論についてProgress Energy Canadaは2015年12月22日現在、同意も反論もしていない。
一時的に操業中止も、注入のペースを落としての再開を許可
この石油・ガス井はノース・モントニー・シェールガス地帯にあるもので、Progress Energy Canadaは地震発生後ただちに操業を中止し、その旨を州石油・ガス委員会に届け出た。同社と委員会は協議の上、その日のうちに対策案を策定し、委員会はこれを承認した。それにより、水圧破砕による石油・ガス採掘は、流体注入のペースを落として再開することが認められた。
12月15日に公表した文書のなかで委員会は、この地域での石油・ガス採掘についてさらなる制限をかける必要があるかどうかについては何も言っていないが、最近になって地震のモニタリングと水圧破砕への対策を強化したことには触れている。いっぽう、Progress Energy Canadaは声明を発表し、そのなかでこう述べている。「われわれは今後もひきつづいて仕事に精励し、作業内容をモニターし、注入する液体の量と圧力を減らすなどの必要な是正措置をとっていく。われわれはこの出来事をきわめて深刻にうけとめている」
なお、この件についてブリティッシュコロンビア州石油・ガス委員会が公表した文書は以下のURLで読むことができる。
https://www.bcogc.ca/node/12951/download