ペルー、汚水処理プラント調査報告書を発表――90%のプラントが排水許可を取得しておらず、殆どが最大許容値を遵守していない

ペルーの衛生サービス監査局SUNASSとドイツ国際協力公社GIZは、2016年2月18日、衛生サービス会社管轄の汚水処理プラント調査報告書を発表した。2008年に第一回報告書が作成されてから7年間で上下水インフラ改善に約210億ソル(約6720億円)が投資されており、その結果を評価するために今般調査が行われた。今回の報告書は、衛生サービス会社32社の建設済み163ヶ所、休止9ヶ所、建設中32ヶ所、合計204ヶ所の汚水処理プラントへの立ち入り検査結果をまとめたもので、主に以下の結果が報告されている。

  • 90%以上の汚水処理プラントで排水または再使用許可が取得されておらず、汚水基準値が厳しすぎ、汚泥や固形廃棄物の許可された廃棄場所がなく、汚泥を農業用に再使用するにあたっての規則がないなど、法的枠組みの問題がある
  • 建設不備や、水量計、砂除去網、処理ユニットへのバイパスなどの設備不足がみられる。
  • ハイテクノロジーを使ったオペレーションやメンテナンスの高いコストをカバー出来る余裕がなく、オペレーション棟や倉庫、ラボラトリー、柵、公衆安全などの設備がない。
  • 安定池タイプの汚水処理場の50%では汚泥除去がなく、汚水処理場全体の50%で無機物や水量過多が見られる。その他、オペレーションやメンテナンス、モニタリングのマニュアルやプログラムがなく、適切なオペレーションやメンテナンスの為の資金不足、技術者や機材の不足が見られる。

また結論として、最大許容値遵守期限を設けること、処理された汚水や汚泥の再使用をサポートする政策策定、汚水処理場改修プログラムの設定などが推奨されている

なおペルーの2011-2021年国家環境行動計画*1では、2021年までに家庭汚水の100%が処理され、50%が再使用されること及び、2021年までに排水許可を受けた排出者の100%が最大許容値を遵守し、排水を受け入れる水域が環境基準を遵守することが目標として挙げられている。

汚水処理プラント調査報告書は、以下のサイトからダウンロード可能(西語表記)
http://www.sunass.gob.pe/doc/Publicaciones/ptar.pdf

*1 EWBJ39号に関連記事有り「ペルー環境大臣が今後10年の国家環境行動計画を発表――特に水、廃棄物分野での対策が急務

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