英国で2016年地下水令が施行――モニターすべき汚染物質リストに新規物質を追加

英国イングランドで2016年7月11日、「2016年地下水(水枠組み指令)(イングランド)令」が施行される(以下のリンクに、新地下水令の原文掲載)。なお、同様の命令がウェールズでも施行される。
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/525723/groundwater-ea-direction.pdf

本命令は、EU地下水指令(2006/118/EC)附属書II(地下水汚染物質と汚染指示薬に関するしきい値)を改正したEU地下水指令(2014/80/EU)を国内実施するものである。地下水を保全する義務に関して環境庁に指示を与えるもので、次の要求事項を最新化する。

(1)地下水中の水質汚染物質をモニタリングし、しきい値を設定する(第5(4)

水質汚染物質、イオンまたはその指示薬のバックグラウンド・レベルが、自然の水文地質学的理由から上昇する場合のしきい値を設定する際、地下水水塊のバックグラウンド・レベルを考慮に入れる必要がある。その際、環境庁は次の原則を踏まえなければならない。

  • 地下水水塊の特性評価と地下水モニタリング結果に基づき、バックグラウンド・レベルを決定すること。
  • 地下水モニタリングデータが限定的でしかないとき、もっと多くのデータを収集すべきであるが、当面は、その限定的なデータに基づきバックグラウンド・レベルを決定してよい。
  • 地下水モニタリングデータが不十分で、地質化学的な移行やプロセスに関する情報が乏しいとき、もっと多くのデータを収集すべきであるが、当面は、その限定的なデータに基づきバックグラウンド・レベルを推定してよい。

(2)モニターすべき汚染物質のリストに、新たな汚染物質を追加する(第5(3)(a)(iii))。

「別表2:水質汚染物質とその指示薬のミニマムリスト」に、亜硝酸化合物とリン(合計)/リン酸塩を加える。これにより、新リストは次のようになる(下線部が新規の追加物質)。

1.自然または人間の活動の結果として発生しうる物質、イオン、または指示薬
ヒ素、カドミウム、鉛、水銀、アンモニウム、塩素、硫酸、亜硝酸化合物リン(合計)/リン酸塩
2.人工的な合成物質
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン
3.塩分やその他の浸入物のパラメータ指針
伝導度

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