中国天津市環境保護局は、2016年5月3日、「水環境保護行政指導暫定弁法」(以下、「暫定弁法」)を公布した。この暫定弁法は、2016年3月1日に施行された「天津市水汚染防止条例」を徹底して実施するとともに、環境保護関連の法律法規の厳格化を図り、加えて1日単位連続処罰の行政指導*1制度に基準を設けて制度を整備するために制定されたものである。
本「暫定弁法」によると、環境保護主管部門は、1日単位で連続的に処罰された企業ならびに公的機関およびその他の事業者の主な責任者に対して、処罰の決定日から7業務日以内に、環境保護行政主管部門が実施する責任追及のために、次の手順で話し合いを行う。
(1) 行政指導の提案
主管部門は、1日単位連続処罰の実施が決定した環境違法企業の「行政指導通知書」を作成し、当事者に送付する。「行政指導通知書」には、被指導者、行政指導の事由、行政指導の場所や日付、指導実施者などの情報が含まれる。
(2) 行政指導の実施
- 指導実施者は、被指導者に存在する主な環境問題およびそれによる影響について通知し、関連する環境保護の法律・法規規定を説明するとともに、期限内の是正などの要求を提示する。
- 被指導者は、存在する問題の原因および処理の経緯、講じた管理措置などについて説明する。
- 指導実施者は、関係する状況に関して質問するとともに、処分意見を提出する。
- 行政指導記録を作成し、各参加者が署名した後、保管する。
(3) 行政指導の結果
- 指導実施者は、行政指導の状況に基づき「是正命令決定書」を作成し、是正要求および期限を明らかにし、被指導者に送付する。
- 行政指導の状況、是正措置および結果は、環境保護行政主管部門の行政ウェブサイトに掲載される。
なお、上述の「水環境保護行政指導暫定弁法」の原文は以下のURLにて閲覧可能である(中国語:簡体字)。
http://www.tjhb.gov.cn/news/notice/201605/t20160506_20987.html
*1 行政指導:行政権を有する機関が、話し合い、政策や法規の学習、分析や講評などの方法により、下級組織の運営に存在する問題を是正したり規制したりする行政行為。中国語は「約談」