タイ、工場敷地内における土壌及び地下水の汚染管理に関する省令を公布――12種の特定事業者に土壌・地下水の調査を要求

タイ工業省は、2016年4月29日、“工業省令:仏歴2559年(2016年)工場敷地内の土壌及び地下水の汚染管理」”を公布した。2016年10月26日(公布180日後)に施行される本省令により、タイで工場を操業する特定事業者には、土壌および地下水のサンプリングを行い、結果を当局に報告することが義務付けられる。なお、本省令の下位法令にあたる告示案が2016年4月に公表され、意見募集にかけられている(EnviX海外環境法規制モニタリング2016年5月号「タイ、工場敷地内における土壌及び地下水の汚染管理に関する省令の下位法令案を公表――工場に土壌・地下水のサンプリングおよび結果報告義務を課す方針」参照のこと)。

適用対象となる特定事業者

本省令が適用される特定事業者とは、以下の12種の事業を営む事業者をいう。

項目 工場の区分又は種類 工場規模
 1 織物、糸、又は非アスベスト(Asbestos)繊維に関する工場
No.22 (1) (2) (3) (4)
第3種工場
 2 パルプ又は紙の製造工場
No.38 (1) (2)
第3種工場
 3 化学品、化学物質、又は肥料以外の化学材料に関する事業の工場
No.42 (1) (2)
第3種工場
 4 塗料(Paints)、ワニス、セラックニス、ラッカー又は塞ぐ若しくは詰める用途のための製品に関する事業の工場
No.45 (1) (2) (3)
第3種工場
 5 化学製品に関する事業の工場
No.48 (1) (2) (3) (4) (6) (12)
第3種工場
 6 石油精製工場
No.49
第3種工場
 7 鉄又は鋼鉄以外の金属の精錬、混合、純化、熔解、鋳造、圧延、引延し又は初期段階の製造に関する工場
No.60
第3種工場
 8 電気器具に関する事業の工場
No.74 (1) (4) (5)
第3種工場
 9 製品又は製品の構成要素の装飾又は特性変更に関する事業の工場
No.100 (1) (2) (5)
第3種工場
 10 中央廃棄物処理施設
No.101
第3種工場
 11 廃品又は不用品の分別又は埋立てに関する事業の工場
No.105
第3種工場
 12 工業製品の不用品又は工場から出る廃棄物を、工業的製造工程を経て原材料又は新製品に再生する事業の工場
No.106
第3種工場

※ No.は工場法に基づく省令の末尾リストに定められる第3種工場のNo.をさす。

工場を操業する事業者の義務

すでに工場を操業している事業者は、本省令の施行日から180日以内、すなわち2017年4月24日までに、1回目の土壌及び地下水の調査を実施し、その結果を2017年10月21日までに届け出なければならない。さらに、1回目の調査を実施してから180日が経過した時点で2回目の調査を実施、結果を報告しなければならない。以降、土壌については3年ごとに、また地下水については毎年調査を実施して、結果を報告しなければならない。なお、土壌および地下水の汚染基準を超えることが明らかになった場合には、汚染軽減対策を提案する報告書を作成し、汚染が見つかった日から180日以内に当局に提出しなければならない。当該報告書では、土壌及び地下水の汚染基準以下に抑えることが可能になると予測される時期を示すことが求められる。

なお、上述の省令原文は、以下のURLよりダウンロードできる。
http://www.ratchakitcha.soc.go.th/DATA/PDF/2559/A/038/89.PDF

また、前述の通り、現在、本省令の下位法令が策定中であり、その策定状況によってスケジュールが延期される可能性がある。

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エンヴィックスでは、本省令の日本語版(A4版8ページ)を下記の要領で販売しております。

製品名 【日本語版】
タイ
工業省令:仏歴2559年(2016年)工場敷地内の土壌及び地下水の汚染管理
納品物 pdfファイル1点(全8ページ)
価格 \15,000(税別)
申込先 contact@envix.co.jp ; TEL:03-5928-0180

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