フィリピン、水質基準値および排水基準値を定める行政命令を制定

フィリピンで、2016年5月24日、「環境天然資源省(DENR)行政命令2016-08号 水質基準ガイドラインおよび一般排水基準」(以下、本命令)が制定された。本命令は、2種類の一般紙上で公布され、かつ国家行政登記局(National Administrative Register)事務所におけるその写しの受領承認を以て発効する。施行にともない、以下の規則は無効となる。

  • 1978年国家公害規制委員会規則
  • 1982年排水規則
  • DENR行政命令1990年第34号
  • DENR行政命令1997年第23号

本行政命令の原文は以下よりダウンロード可能である。
http://server2.denr.gov.ph/uploads/rmdd/dao-2016-08.pdf

水質基準ガイドライン

本命令で規定される「水質基準ガイドライン(WQG:Water Quality Guidelines)」は、フィリピン国内の全ての水域(淡水、海水、地下水)に適用され、それらの分類に使用されるものである。分類について、淡水はClass AA、A、B、C、Dの5種で、海水はClass SA、SB、SC、SDの4種となっている。それぞれの分類の水域が満たすべき具体的な水質基準値は、本命令のセクション6にある表3~表6で規定されている。

一般排水基準

本命令で規定される「一般排水基準(GES:General Effluent Standards)」は、工業種別に関わらず全ての排水源に適用されるものである。GESの具体的な基準値については、本命令のセクション7にある表9で規定されるが、排出先の水域の分類(上述の各Class)によって排水基準値は異なり、例えばBODとCODの最大許容値は以下の通りである(下表中のNDAは「排出禁止(No Discharge Allowed)」を意味する)。

Class AA A B C D SA SB SC SD
BOD(mg/L) NDA 20 30 50 120 NDA 30 100 150
COD(mg/L) NDA 60 60 100 200 NDA 60 200 300

GESのなかで、「主要排水基準項目(significant effluent quality parameter)」と呼ばれる要件が規定されているが、これは産業種別ごとに分かれて設定されており、例えば以下の通りである。なお、下表の「PSICカテゴリー」とは、Philippines Standard Industrial Classificationを指し、フィリピンにおける産業分類を示すものである。

PSICコード 産業カテゴリー 主要排水基準項目
261 電子部品の製造 pH、COD、総懸濁固体量(TSS)、フッ化物、塩化物、ホウ素、油・潤滑油、トリクロロエチレン、金属類(製造している主な電子部品に対応したもの)
2720 電池および蓄電池の製造 pH、COD、総懸濁固体量(TSS)、フッ化物、セレン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛、油・潤滑油

 

罰則

本命令に違反した者は、「フィリピン共和国法9275号 水浄化法」のセクション28にもとづく罰金、損害賠償金、罰則を負うこととなる。

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