米EPA、大規模な水インフラ・プログラム創設のための規則制定へ

米環境保護庁(EPA)上下水道・水環境局のJordan Dorfmanが2016年10月14日にシカゴでひらかれた水インフラ・プログラムの説明会で語ったところによると、EPAは米全土で総額10億ドル(約1000億円)超の資金を投入する水インフラ・プログラムの創設に必要なふたつの規則を、2016年11月下旬の感謝祭までに暫定最終規則として公布ないし規則案として公表する方向で作業を進めている。

これら規則は2014年の水インフラ資金・改革法(WIFIA)の施行に必要なもので、そのうちひとつはプログラム全体にかかわるもの、もうひとつは受益者が支払う料金に関するものである。前者は暫定最終規則として公布され、即日発効することになる。いっぽう、料金に関する規則については規則案が公表される予定である。

優先プロジェクト

この水インフラ・プログラムを通して連邦政府はさまざまなプロジェクトに資金を投入することになるが、なかでも優先されるのが、地方自治体による異常気象や気候変動への適応事業、グリーン・インフラの導入、老朽化したインフラおよび水輸送システムの修復と交換などである。こうしたプロジェクトに対し、このプログラムは費用の最大49%の融資をおこなう。現在、2017会計年度の本予算案が議会で審議されており、その結果にもよるが、予算案が原案通り議会で承認されれば、このプログラムによって支援されるプロジェクトの総額は20億ドル(約2100億円)前後となる見込みである。また、こうしたプロジェクトにより、鉛などの汚染対策、下水処理、淡水化、帯水層再注水、上下水道部門でのエネルギー効率改善などの取組が進むものと期待されている。

支援対象

この水インフラ・プログラムによって融資をうけることができるのは、水道ユーティリティなどの企業、官民パートナーシップなどの事業体、州政府と地方政府、水質浄化法と州飲料水法で定義されたインフラ資金調達公社などである。また、融資の対象となるプロジェクトの規模は2000万ドル(約21億円)以上となっているが、小規模な自治体の場合は500万ドル(約5億2000万円)以上の規模であれば融資をうけることができる。

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