パナマ政府、2015-2050年水確保国家計画を承認

パナマの閣僚理事会は2016年8月23日、「2015-2050年水資源安全保障国家計画*1」を承認したと発表した。このマスタープランとなる計画をもとに、水の使用に関する様々なアクションが、各機関で協調してとられることになる。

この計画書は、気候変動の影響を考慮して水資源や生態系を保護しつつ、全ての国民及び生産活動への、良質で十分な量の水の平等な供給を保証するためのルートマップとなると、環境大臣は述べている。承認に先立って、国連開発計画UNDPの援助で全国でパブリックコンサルテーションが行われ、これには農牧業者や民間企業、学会、環境団体、NGO団体、農村部の上水管理組合、原住民グループなど1500名が参加している。

承認された計画書では、以下の5つの目標が挙げられている。

  • 飲料水供給及び下水処理の完全普及。
  • 全ての部門への平等な水の供給による、国連の持続可能な開発目標である包括的で持続可能な経済成長の達成。
  • 水災害の予防管理。
  • 52の水域の管理。
  • 持続可能な水資源の維持。

また、2015-2050年水資源安全保障国家計画の実施を確実に行う為の推進機関となる、「国家水理事会(CONAGUA)」が、新たな機関として創設された。CONAGUAは、環境省、経済・財務省、保健省、農牧開発省、パナマ運河当局、公共サービス管理当局、上下水道庁の代表より成り、閣僚理事会に対して、水資源関連部門が適切に機能し、水確保国家計画のアクションプランを確実に実行する為の政策やガイドライン、規約、戦略に関するアドバイスや提案を行う機関となる。また環境省付となる、「CONAGUA技術庁」も創設され、国家計画の実施のフォローを行う。この計画書に基き、2020年までの短期優先アクションとして、上下水道整備に対して55.9億バルボア(約5700億円)の投資が予定されている

なお計画書によれば、パナマの2014年の水供給可能量は年間合計1195億m3で、そのうち25.8%がエネルギー部門(278億m3)、運輸部門(23億m3)、農業部門(5億m3)、家庭用(4億m3)、工業部門(8000万m3)で消費されている。家庭用水70%は上水道で、19.8%は農村の上水システムにより供給されている。

 

*1 http://www.energia.gob.pa/tmp/file/451/PNSH-2050-Resumen%20conferencia%20de%20Lanzamiento%20de%20Consulta%20Nacional.pdf

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