中国・環境保護部によると、「水汚染防止法(改正草案)」がほぼ原案通り可決されたため、今後、さらなる改正を行った後、手順に従って上級機関への報告が行われる予定。
本「草案」で注目すべき点は、以下の5つ。
- 効果指向、責任主体(県級以上の人民政府)の明確化、住民参画や情報公開の奨励など、新環境保護法や水十条における一部の原則を継承。
- 国務院の環境保護主管部門に対して、有毒・有害水汚染物質リスト制度を確立するよう明確な要求を提出し、世界の水汚染対策における経験を結びつけ、情報公開やリスク制御のさらなる強化を図った。
- 水汚染の監視範囲を農村にまで拡大。
- 汚染物質排出許可制度や水環境補償制度を推進するともに、汚染物質排出証の発行範囲を拡大し、有毒・有害水汚染物質リストに記載の企業ならびに公的機関、およびその他の事業者、大規模な家畜家禽飼育場(住宅地区)を追加。
- 懲罰の強化。
- 新環境保護法を参考に1日単位連続処罰制度を導入。
- 環境アセスメントならびに環境モニタリング機関、および水汚染防止施設運営機関の連帯責任を追加。
- 汚染物質排出口の違法設置における処罰額を2万~10万から20万~100万元まで引き上げたなど。
現行の「水汚染防止法」は、2008年に改正が可決され、その後8年間、改正は実施されていない。新環境保護法の施行、水十条の発表、水汚染に関する新たな問題の発生という状況を受けて、2015年の全国人民代表大会常務委員では、「水汚染防止法」の改正が立法計画に組み込まれた。2016年3月、環境保護部は、「水汚染防止法」の改正草案の初稿を可決。同年4月には、国家発展改革委員会、工業情報化部、財政部など31の部・委員会、および各省の環境保護庁ならびに環境保護部の各環境保護監督・検査センターの意見を求めるとともに、さらなる改正を加えて「水汚染防止法(改正草案)」(意見募集稿)を策定し、同年6月、環境保護部は、「水汚染防止法(改正草案)」(意見募集稿)に関する意見を公募した。