中国河北省、都市排水及び汚水処理管理弁法が2017年2月1日より施行

中国、2016年12月30日付に公布された「河北省都市排水及び汚水処理管理弁法」が2017年2月1日から施行された。これは、河北省で都市排水と汚水処理が法治の軌道に乗せられたことを示すものである。

都市排水と汚水処理施設の建設及び運営資金の問題に関して、この「弁法」では、県級以上の人民政府が、フランチャイズ経営、民間委託、官民パートナーシップ(PPPなど多くの形式により、都市の排水及び汚水処理施設の建設と運営に使用するための資金を、複数のルートを通じて集めるよう提案している。

排水を発生する事業所及び個人は、国の関係規定に基づき、汚水処理費を納めなければならない。徴収基準は、都市汚水処理施設の正常な運営コストを下回らないようにすべきである。資金調達及び汚水処理費の収入で施設の建設と運営をまかなえない場合は、地方財政から投入を増やし、施設が効果を発揮するよう確保しなければならない。

都市内の浸水の問題については、県級以上の都市に対して、都市浸水防止計画を策定し、その計画に基づいて年度の建設計画を立てるよう要求している。市のインフラプロジェクトにおいては、関係する規範や標準に基き、雨水の収集利用設備を設けなければならず、雨水の流れ方をコントロールするために、雨水と汚水の分流を実行しなければならない。

排水をコントロールする面では、排水者が都市の排水パイプ網及びその付帯設備に汚水を排水するときには、排水管網への汚水排出許可を申請し、許可条件通りに汚染物を排出しなければならない。規則通りに汚染物を排出しない者については、排水の監督官庁は期限を定めて是正を命じることができる。都市汚水処理施設が工業汚水を受け入れる場合、その水量は受入総水量の40%を超えてはならない。40%を超えた場合は、地元の政府が別に工業汚水処理施設建設を手配しなければならない。

施設の維持と安全の確保の面で、排水マンホールとその蓋は盗難防止、脱落防止の機能がなければならず、耐荷重性能や安定性能等が関連の基準をクリアしていなければならないと弁法では述べている。都市の排水管理担当部門は、関係部門と合同で都市排水と汚水処理施設保護の範囲を制定し、それを社会に公表し、保護対象範囲内では、爆破、探査、杭打ち等を禁止することを明確にしなければならない。水質や水量に重大な変化が生じ、水質が基準値を超えることになりそうな場合や、あるいは都市汚水処理設備の安全運転に影響を与えかねない突発的な情況が生じた場合は、応急処置をとり対処しなければならない。また、水質が基準値を超え、都市汚水処理施設に損害を与えた場合は、施設運営者は法に基づき賠償を請求する権利がある。

都市汚水の再生利用の面では、弁法は、都市汚水を処理した再生水の利用を奨励している。再生水は有償使用とし、再生水取扱業者が生まれるのを奨励する。工業生産、都市緑化、道路清掃、車両洗浄、建築施工、景観などには、再生水を優先して使用する。県級以上の人民政府は再生水の利用規模を合理的に定め、再生水施設を建設し、再生水利用促進の保障措置を制定し、再生水を予備の水資源として統一的に配置しなければならない。

なお、上述の「河北省都市排水及び汚水処理管理弁法」の原文は下記のURLにて閲覧可能である(中国語:簡体字)。
http://info.hebei.gov.cn/eportal/ui?pageId=1962757&articleKey=6707196&columnId=329982

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