タイ国内NGO、水質汚染の問題に警鐘を鳴らし、PRTR制度の必要性を主張

2017年3月22日に現地で報じられたところによると、タイで「Water and Wastewater」をテーマとして国連World Water Dayのイベントが開催されたこの日、国内NGOが同国の水質汚染の現状に警鐘を鳴らした。この声明は、タイ工業省・工業事業局(DIW)が廃水の管理・モニタリングに最善を尽くしていると主張したことを受けて出されたものである。

タイでは2016年10月にメコン川で大型エイが大量死するなど、現在、廃水に関して複数の問題に直面している。エイの大量死は、上流で劣悪な水質の廃水が放出されたことが原因であった。タイの環境NGO、“Ecological Alert and Recovery Thailand(Earth)”の Penchom Saetang事務局長はタイの水質汚染が深刻な状況にあり、直ちに法的措置を執ることが必要だと述べた。「天然資源環境省・公害管理局(PCD)は今年、2016年におけるタイの汚染状況に関する年次レポートを公開し、この中で2016年の水質汚染の状況がわずかに改善されたと結論づけています。しかし、私から見れば我が国の水質汚染の問題は依然として許容できない水準にあります。我々が依然として複数の河川流域――特にチャオプラヤ川、ター・チン川、ラヨーン川の流域において、深刻な水質汚染の問題に直面しています」

さらにPenchom氏はPCDレポートを引用し、最も水質汚染を引き起こしているのは農業分野であり、2016年、国内農家からは1日あたり3900万m3の廃水が排出されたと説明した。続く2位の工業分野の廃水量は1780万m3、3位の一般世帯は1日あたり960万m3である。彼女は一般世帯における廃水処理プロセスの効率は18%であり、そもそも処理される水の割合52%であると説明した。「これは環境法の執行とモニタリングが出来ていないことによるものです。わが国の環境法に規定された水質汚染の指標のうち監視されている項目はわずかであり、多くの場合、重金属など多くの有害物質を含んだ水が、そうと気付かれずに消費されているのです」

さらにPenchom氏は次のように続けた。「したがって、タイには汚染物質の排出と移動の登録を義務づける法令が必要です。これは工場操業者に対し、環境中に排出する全ての汚染物質を特定するよう求めるものです。この法律があって初めて我々は、深刻な汚染を引き起こしている当事者を特定し、適切な対処を執ることができるのです」彼女は、大規模な汚染者には追徴課税を課すなど経済的制裁の必要性を挙げた上で、全ての者から廃水処理料を徴収し、水質汚染の問題に対する当事者意識を高めるべきだと指摘した。

これに対し、DIWのMongkol Pruekwatana局長は、DIWは関係当局と協力して工業セクターにおける廃水の放出について精力的に監視・管理してきたと述べた。「DIWは年に3、4回にわたり廃水処理システムの抜き打ち検査を実施しており、35000の工場を定期的に監視しています。もし安全なレベルを超えて汚染された廃水を排出したことが判明した場合、廃水処理装置の改善を求める通知を発行します。これに従わない場合、工場は閉鎖されることとなります」とMongkol局長は説明する。同局長によれば、これまでDIWの検査において汚染基準に合格しなかった工場はわずかであり、7500 m3以上の廃水を発生する大規模工場はそのほぼすべてがリアルタイムでモニタリングされており、汚染を引き起こすようなことはないという。「DIWでは、局内にモニタリングセンターを置き、291の大規模工場から出る廃水の水質を常時モニタリングしています。これにより環境への影響がないことを保証しているのです。我々が取り組んでいるのは、排出される廃水の監視と管理だけではありません。工場の操業者に対し、水の再使用、削減、リサイクルも奨励しています」Mongkol局長はこのように述べ、ほとんどの水質汚染は適切な廃水管理システムを持たない小規模工場と一般世帯に由来するものだと説明した。「我々は工場の操業者に環境保護に対する意識を高めるよう努力していますし、実際に進展が見られます」

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