米EPA、アラスカの自動車廃液投棄井に閉鎖命令

米環境保護庁(EPA)はStepping Store Builders社がアラスカ州フェアバンクスにもつ自動車廃液投棄井を閉鎖するよう命じた件で、同社と合意に達したことを2017年8月11日の報道発表で明らかにした。

上水道の地下水源を汚染

EPAは、上水道の地下水源保護のために、全米で自動車廃液投棄井の新設を2000年に禁止し、アラスカ州の既存の投棄井を2005年までに閉鎖するよう求めていた。EPAは2016年にStepping Store Builders社への立入検査を実施し、その結果、同社の3つの自動車修理・整備工場の床排水溝が投棄井につながる汚水処理システムに不法に接続されていることが判明した。この投棄井と汚水処理システムは公共上水道の地下水源保護地域内にあり、別の水道システムにも近接している。これについて、シアトルにあるEPA第10管区事務所のEdward Kowalski規制遵守・執行部長はこう述べている。「自動車廃液投棄井は、オイル、不凍液、ブレーキ・フルードなどの有害化学物質で飲料水の水源を汚染するおそれがある。EPAは今後もひきつづき、アラスカ州の飲料水を保護するために違法な自動車廃液投棄井の閉鎖に注力していく」

3万6500ドルの制裁金も

Stepping Store Builders社は廃液投棄井の閉鎖に応じたほか、安全飲料水法違反のかどで3万6500ドル(約398万円)の制裁金を支払った。アラスカ州では、州民のおよそ80%が飲料水を地下水に頼っており、都市部以外に限定するとその比率は90%におよぶ。

EPAは投棄井のさらなる閉鎖を呼びかけ

アラスカ州には違法な自動車廃液投棄井がまだ200ほどあると推定されており、EPAは同州の環境保護局と協力してそれら投棄井の閉鎖をさらに進めていくとしている。それら投棄井のある施設の所有者や運営者に対して、EPAは同庁およびアラスカ州環境保護局と連絡を取り合って廃液の管理方法を改善するよう呼びかけている。

なお、EPAは自動車廃液投棄井に関する情報を以下のウェブページにまとめている。
https://www.epa.gov/uic/motor-vehicle-waste-disposal-wells

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