2017年7 月21日に現地で報じられたところによると、マレーシアのムラカ州において未処理の廃水を河川に放出し、水質汚染を引き起こしたとして、複数の養豚場が閉鎖された。今回深刻な水質汚染が発生したのはTuang川(Sungai Tuang) に加えてこの川が流れ込むPengkalan Balak海岸であり、近隣エリアで操業する養豚場36カ所のうち、29カ所が州政府の命令により閉鎖された。また、閉鎖を免れた7カ所についても、厳しい管理措置が続けられている。
操業を許可された7ヶ所も厳しい監視下に置かれる
ムラカ州の農業・起業発展委員会で議長を務めるHasan Rahman氏は、5月に州政府から命じられたこの管理措置について、河川の汚染を抑制するためのものだとして、現在の状況について次のように説明した。「操業を続けることを許されたのは、わずかに7ヶ所のみです。これらの養豚場は現在、河川に排出する廃水の処理要件を遵守していますが、さらなる汚染が発生しないよう、現在は彼らも厳しい監視下に置かれています。」Tuang川およびその河口(Pengkalan Balak海岸付近)において深刻な水質汚染が発覚したのは2017年5月のことであり、調査の結果、設備は旧式でありながら中規模にまで成長した36カ所の養豚場が汚染源とされた。これらの養豚場が放出した排水にはし尿や死体が含まれていたため、Tuang川とPengkalan Balak海岸には深刻な汚染が発生し、同エリアで観光業を営む事業者らは大きなダメージを受けることとなった。Hasan氏は続けて、「監視は非常に厳しく、我々は現在、毎週汚染の状況について州の執行委員会に報告書を提出しなくてはなりません。また我々は、灌漑排水局(Irrigation and Drainage Department)に対し、操業を続けている7ヶ所からの排水を厳格に監視するよう指示しました。彼らは、処理した廃水以外は川に流してはならないとの命令に従わなくてはなりません。もし違反があれば、これらの養豚場からの下水管は直ちに封鎖されることとなります」と述べた。
なお、Tanjung Beruas港では不法な石炭の堆積物が近隣の大気汚染を引き起こした事案も発生し、当局による厳重な管理下に置かれている。