2018年2月14日に現地で報じられたところによると、フィリピン・ボラカイ島にある51の企業(多くはホテルやレストラン)が、廃水処理装置の未整備を理由として、環境天然資源省から営業停止の処分を受けた。これらの企業は廃水を海へつながる下水道にそのまま流していた。本件は、2月9日、ドゥテルテ大統領がボラカイ島を「汚水貯め」だと例えた上で、島の衛生状態を改善するよう同省に指示したことを受けた動きである。大統領は、この汚水と廃棄物の問題が解決されなければ、ボラカイ島を訪れる観光客の健康を守るため、島を6カ月以内に閉鎖すると警告している。
本件について2月13日に発表を行ったRoy Cimatu環境天然資源大臣によれば、今回対象となった51の企業には、同日付けで、水質浄化法に違反している旨の通告が発行された。同法は、企業と家庭の双方に、下水を廃水処理施設により処理することを義務づけているが、ボラカイ島の企業のうち、この廃水処理施設の要件を満たしているものは50~60%にとどまっており、残りの企業は直接運河に下水を放流しているという。今回営業停止となった51の企業は、ボラカイ島にある下水処理施設に違法に接続している、または全く接続していない企業であるという。大臣は、「我々はこれらの企業に対し、3~5日以内に回答するよう求めています。回答がない場合、彼らに対する給水を停止します」と述べている。また大臣は、具体的に企業名は明かさなかったものの、これらの企業は、2カ月以内に独自の処理施設を設置するか、または公共の下水処理施設に接続しなければならず、これを行わない場合には当該企業を閉鎖すると述べた。
中国や韓国からの利用者が多いある高級ホテルでは、ドゥテルテ大統領の声明の後、ボラカイ島のホテルやリゾート施設に多くのキャンセルが発生したという。これらの施設では、2月16日の中国の春節を控え、多くの観光客を見込んでいた。