チリの公共事業省は2018年2月16日、グレイウォーターの回収、再使用、処理規則を規定する法律No.21.075を公布した。主な内容は、以下の通りとなっている。
- グレイウォーターの再使用にあたっては、地方の衛生当局のプロジェクが承認およびシステム稼動許可を取得すること。グレイウォーター再使用システムの衛生要件は、保健省が規定する。
- システム運営者は衛生当局からの許可を、許可取得後15日以内にグレイウォーターを再使用する地域の地方紙に公示し、公示後30日以内に監査局に許可を登録すること。許可は、衛生法第7条の規定に従い、最低3年間有効とする。
- 下水とは別の排水管で排水されたグレイウォーターは、家屋や事業所で処理及び再使用してもよいし、公共のシステムに排水してもよい。グレイウォーターの再使用システムは常に下水システムに接続し、故障や緊急事態などの場合には下水道に排水できるようにしておくこと。
- 処理されたグレイウォーターの用途は、以下の通りとなる。
- 庭の灌漑
- 公園やスポーツ場など公共の場の灌漑
- 私有の緑地での使用
- 食品加工産業以外の製造プロセスや、冷却での利用。
- 植林地の灌漑や湖沼維持など、環境保護の為の利用。
- 以下でのグレイウォーターの使用を禁ずる。
- 人の飲料水としての使用や、生食用の地上で成長する野菜や果物への灌漑、飼料として使われて人の健康にも影響を与えうる野菜や果物への灌漑。
- 食品加工業の、製造プロセスでの使用。
- 医療機関での使用。
- 軟体動物の養殖。
- プールでの使用。
- 冷却塔や蒸発凝縮器での使用。
- 人と接触する恐れがある噴水。
- その他、健康に害を与える恐れがあると衛生当局が認めるもの。
- グレイウォーターの再使用の許可を受けた者は、処理した水の質及び、分別回収から許可された用途での使用までの管理、再使用システムの稼動と保守の責任を持つこと。
- 都市計画及び建設一般条例は、水資源の効率利用の為、地理的条件や用途などを考慮して、グレイウォーターの再使用システムが義務付けられる建物を規定すること。
法律No.21.075は、以下のサイトからダウンロード可能。
http://www.diariooficial.interior.gob.cl/publicaciones/2018/02/15/41984/01/1353300.pdf