中国上海市水務局、「上海市給水計画(2017 – 2035年)」を公示し意見募集を開始――2035年までに水質を世界先進レベルにまで引き上げる

中国上海市水務局は2018年8月、「上海市給水計画(2017年- 2035年)」を公示し、意見募集を開始した。その中で、2035年までにハイレベルの給水システムを築き上げ、水質を世界的な先端水準まで引き上げるとする目標などが示された。

上海市では既に、「両江並行、集中取水、ダム供水、ワンネットワークの下での制御」というような源水供給体制が基本的に築き上げられている。 2017年の年末までに、揚子江青春砂、陳行、東風西砂及び、黄浦江上流金沢の四つのダムが全て竣工し、給水に備えている。都市全体の集約化した給水システムは全面的に構築され、現存の浄水場は36か所となっている。都市全体の給水管管径は、DN75 mm以上で、公共給水管は全長、約3.7万キロに及んでいる。全体として、上海市都市全体の給水能力は需要に応えるものとなっており、水質も現行の国家基準を達成している。

今回公表された「上海市給水計画(2017 – 2035年)」の対象期間は 2017年~2035年までとし、直近の達成期限は2020年までとしている。計画の範囲は上海市の行政管轄区域とし、陸域面積は6833 km2に及ぶ。グローバル都市の位置付けと都市細分化管理の全体要求に従って、2035年までに、「節水先行、安全且つ上質、スマートで環境に優しく、効率が高いサービスの提供」というような給水システムを築き上げ、給水水質を世界先進国の水準と一致することを目標としている。給水水源は中国の「地表水環境品質基準」(GB3838)と「地下水品質基準」(GB/T 14848)に従って、提供される。給水水質は国家標準「生活飲用水衛生基準」(GB5749)と上海市地方標準「生活飲用水の水質基準」(DB31/T 1091)の要求を同時に満たさなければならない、としている。

「上海市都市全体企画(2017 – 2035年)」による3000万人へのインフラ施設サービス要求に基づいて、地域発展と機能調整に合わせて、「ワンネットワーク、浄水場39軒」という全体の給水配置システムを構築する。「ワンネットワーク」とは、都市全体が一つの統括制御の下で繋がっている給水管網のことである。「浄水場39軒」とは、都市と農村が一体化したセントラル浄水場を39か所構築することである。都市の更新、農村の振興、雨水汚水の混交改造及び、架空線の接地などの工事実施と同時に、給水管の更新改造に関する長期的なメカニズムも継続的に整備し、水配給に安全保障を提供する。

 

「1、2、4、X」という水源地と源水システムのメカニズムの構築

  • 「1」とは、上海市に、1つの源水連鎖管理網システムのことである。複数本の源水連鎖給水管を設置し、揚子江青春砂と陳行、黄浦江上流源水システム、崇明東風西砂源水システムとの連鎖を通して、源水の相互補完を実現する。
  • 「2」とは、揚子江と黄浦江は並行し、流域上流水源地と繋げ、応急時に連動する相互補完を実現する。
  • 「3」とは、揚子江青草砂、陳行、東風西砂及び黄浦江上流金沢の四つのダムによって、上海市都市全体に基本的な水源地安全保障を提供する。
  • 「X」とは、上海市の数十か所に応急給水口を備え、百余りの地下水応急給水井戸の構築を計画する。その他に、揚子江デルタの一体化発展、インフラ施設と資源環境への統括調整要求に従った上、江蘇省、浙江省との揚子江エリアと太湖流域での水資源供給における戦略的提携を強化し、スーパー大都市である上海市の長期的発展と源水への安全保障需要を保証する。

現状を踏まえた上で、源水の環状連鎖を推進し、ワンネットワークによる最適化配置を実現し、揚子江水源水工場で高度浄水処理を行い、給水管網の更新改善も同時に実施し、二次給水施設の運営とメンテナンス基準を整備し、全面的に水源、水工場、給水管網と二次給水といった四分野に亘る全過程の水量、水質に対する監督管理と安全保障水準の向上に努める。

「上海市給水計画(2017 – 2035年)」の関連情報は、下記のURLよりダンロード可能である(中国語:簡体字)。
http://www.shanghaiwater.gov.cn/shwaterweb/gb/sswj/n206/n207/userobject1ai13099.html

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