米EPA、ポイント・ソースから地下水への汚染物質排出には水質浄化法下の許可が不要との結論

米環境保護庁(EPA)は2019年4月15日、ポイント・ソースから地下水への汚染物質排出に水質浄化法(CWA)にもとづく全国汚染物質排水削減制度(NPDES)のもとでの排出許可が必要かどうかの判断を示す解釈文書を公表したことを明らかにした。この解釈文書でEPAは、ポイント・ソースから地下水への汚染物質排出はCWAによる規制の範疇外であり、したがってNPDESのもとでの排出許可は不要であると結論づけている。

EPAは今後、地下水、およびそれと水文学的につながっている地表水の保護を、安全飲料水法(SDWA)、資源保全回収法(RCRA)、および包括的環境対策補償責任法(CERCLA、通称スーパーファンド法)によりあたえられた権限にもとづいておこなっていくとしている。なお、EPAはこの解釈文書の公表を2019年4月23日付の官報でも告知するとともに、これに関する規制を今後さらに明確化するには何が必要かについて、同年6月7日までの意見募集を開始した。

背景

ポイント・ソースから地下水への汚染物質排出については、かねてからNPDESのもとでの許可が必要かどうかが曖昧で、連邦裁判所の判断もわかれていた。こうしたことから、EPAは2018年2月にこの問題についての意見募集を開始し、寄せられた5万件余りの意見を踏まえた上で検討を重ね、今回の解釈文書公表に至った。

第4および第9連邦控訴裁判所管内には解釈文書は不適用

バージニア州など東部5州を所轄している第4連邦控訴裁判所と、カリフォルニア州など西部9州を所轄している第9連邦控訴裁判所は、この問題に関してEPAと異なる判断をくだしている。また、合衆国最高裁判所は、この問題に関して第9連邦控訴裁判所に提起された訴訟に裁量上訴受理令状を求める申立を受理している。こうしたことから、今回のEPAの解釈文書は、第4および第9連邦控訴裁判所管内には適用されない。

【関連URL
EPAが今回公表した解釈文書:
https://www.epa.gov/sites/production/files/2019-04/documents/interpretive_statement_application_of_cwa_npdes_memo_-_signed.pdf
この件に関する官報記事:
https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2019-04-23/pdf/2019-08063.pdf
この件に関するEPAの報道発表:
https://www.epa.gov/npdes/releases-point-source-groundwater

タグ「, 」の記事:

2020年5月19日
ドイツ内閣、河川水域への硝酸塩流入を減らす水管理法改正法案を閣議決定
2020年4月14日
米EPA、プラスチック関連データ不足としてハワイ州不適合水域リストへの承認撤回
2020年4月11日
ドイツ環境省、第11次排水令改正令案を公開協議――BATへの包括的適応を推進
2020年4月3日
中国河北省人民政府、「河北省河川・湖保護および整備条例」を公布し施行――飲用水源保護区内での汚染物質排出口の設置など8種類の禁止行為について規定
2020年3月24日
米EPA、飲料水中のPFOAとPFOSの規制を予備決定