チリの銅公社Cochilcoは2019年10月15日、2018年度の銅鉱山での地表水、海水、再利用水の使用状況をまとめた報告書「2018年銅鉱山の水使用」を発表した。チリの銅生産は2017年から2018年にかけて7%増加しているが、調査は2018年度の銅生産の99.3%を生産する企業へのアンケート調査により行われた。以下の結果が報告されている。
2018年の地表水の消費は前年比0.7%増加の13.36 m3/秒で、増加の主な要因は、硫化鉱物の増加といえる。2018年の海水の使用は3.99 m3/秒、再利用水は44.87 m3/秒で、合計62.22 m3/秒となっている。水の消費が多い州は、54%の銅を生産するアントファガスタ州で、続いてオヒギンス州、タラパカ州、アタカマ州となっている。水源別では、地下水が41%、地表水が30%、海水が23%、第三者からの調達が6%となっている。再利用水に関しては、銅鉱山開発における水の再利用率は72.1%で前年比3%増だが、銅精鉱の場合の再利用率は74.3%で前年比2%減少している。全体の使用の23%を占める海水使用に関しては、1.88m3/秒が塩分の高い汽水の使用、2.12m3/秒が淡水化された海水の使用となっている。
主なグラフを、以下に示す。
図 銅鉱業における水の消費の推移(2012年~2018年)(単位:m3/秒)
図 銅鉱山開発における地表水の消費の推移(2012年~2018年)(単位:m3/秒)
図 銅鉱山開発における水の再利用率の推移(2012年~2018年)
図 銅精鉱生産における水の再利用率の推移(2012年~2018年)
図 銅鉱山の海水使用の推移(2010年~2018年)(単位:m3/秒)
報告書「2018年銅鉱山の水使用」は、以下のサイトからダウンロード可能。
https://www.cochilco.cl/Listado%20Temtico/Consumo%20de%20agua%20en%20la%20mineria%20del%20cobre%20al%202018%20-%20Version%20Final.pdf