ブラジル・リオデジャネイロ州工業連盟、民間企業参加による汚水処理や処理水再利用プロジェクトへの100億レアルの投資機会を特定

リオデジャネイロ州工業連盟Firjanのインフラ部長は2019年9月12日、水事業のイノベーションについてのワークショップで、民間企業の参加による工業用水再利用プロジェクト6ヵ所を含む、汚水処理や工業用水供給プロジェクトの100億レアルの投資機会を紹介した。

Firjanは、コンセッションや官民提携(PPP)による汚水処理や下水処理に関係する、480万人の住民に恩恵を与える投資額76億レアルの21件の投資機会を特定している。工業用の水の再利用に関しては6件の投資機会を特定しているが、サンパウロで成功をおさめている水再使用プロジェクトAquapoloの投資金額を6倍すると、投資額は総額22億レアルとなる見込みである。

Firjanの調査報告によると、2017年にブラジルでは、人口の17%が飲料水へのアクセスがなく、35%が下水へのアクセスがない。また下水の半分の52%は処理されていない。リオデジャネイロ州では、飲料水へのアクセスがない人口は8%で、下水へのアクセスがない人口は32%、下水の処理率は46%となっている。

長期的に水の供給源を確保する為には、工業用水の代替源として、下水再生水をさまざまな生産プロセスで利用することが重要である。しかし2017年の国連の水資源開発に関する報告書では、多くの国でまだ積極的に取り組まれておらず、法規も整っていない。ブラジルでも汚水処理プラントの処理水の工業向けの使用は進んでいないが、サンパウロのAquapoloプロジェクトでは、汚水処理プラントの処理水がABC石油化学コンビナートで1m3/秒使用されており、ラ米で最大の工業用の水再利用プロジェクトとなっている。

工業用水としての再利用は、住民への水源からの水の供給を確保する意味で、Firjanと1000社以上のリオデジャネイロの企業が作成した「2016-2025年リオデジャネイロ州開発マップ」で優先的な位置づけとなっている。

報告書では以下の、リオデジャネイロ州の既存の汚水処理場と、処理水が利用可能な周辺10kmのエリアのマップ(下図)が紹介されている。また139ヵ所の汚水処理場を分析したところ、処理水の水量が10L/秒以下が43ヵ所、10~100 L/秒以下が31ヵ所で、工業用水として再利用のポテンシャルが高い500L/秒以上の水を供給できるところは、14ヵ所となっている


図 リオデジャネイロ州の既存の汚水処理場と、処理水が利用可能な周辺10kmのエリア
(出典:Firjan調査報告書)

Firjanの調査報告書は、以下のサイトでダウンロード可能。
https://www.firjan.com.br/lumis/portal/file/fileDownload.jsp?fileId=2C908A8A6B47EA07016B89E8766F0F5B

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