ドイツ環境省、水質有害物質取扱設備令第1次改正令案の公開協議を終了

ドイツ連邦環境省が2020年1月17日、水質有害物質取扱設備令第1次改正令案[1]をめぐる公開協議を終了した。同省は2019年11月25日から公開協議を行っていた。

ドイツでは、水質有害物質取扱設備令を2017年8月1日に施行して以来、水質有害物質を取り扱うすべての設備に対し、つまり暖房用灯油タンクから化学品貯蔵設備さらに水肥容器にいたるまで、統一的な安全基準を設定している。環境省によると、技術的な装備品や運転者の義務に関して同一の要求事項を導入したことは、設備関連の水質保全にとって大きな成功とみなすことができる。したがって、今回の改正令案では、実質的な改正はせず、ただ最新動向を次のとおり反映させるに留める。

  • 今日までになされた他のさまざまな法令の改正動向を反映させる。
  • 個々の規定をよりわかりやすく書き直す。
  • 概念の矛盾点を解消し、明確化する。

水質有害物質取扱設備令のあらまし

(1) 設備の運転者は、そこで取り扱う物質と混合物の特性を評価し、「水質にとって有害ではない」か、あるいは3段階からなる「水質有害」クラスのいずれかに分類する義務を負う。ただし、連邦環境庁が官報を通じて、その分類をすでに公表している物質と混合物を除く。

(2) こうした設備に対する技術面の基本要件は、「水質有害物質を含む容器が供用期間全体を通して気密であって、その状態を維持するよう設備の運転者が配慮すること」というものである。万一、容器から物質や混合物が漏れ出た場合、水質を汚濁しないよう技術的、組織的な措置を講じることとする。

(3) リスクの大きな設備では、事故により流出した水質有害物質を人の関与なく抑制する装備を設置するだけでなく、場合によっては警報を発令しなければならない。

(4) 多くのプラントでは、技術面の基本要件を完璧には充足できないことから、特定のプラント(固形水質有害物質積み替え施設、水力発電所、バイオガス施設等)を対象に例外規定を定める。

(5) 運転者は、自らの設備の正常な運転に自ら責任をもつ。しかし、リスクの大きな設備の場合、外部の専門家による検査を定期的に受け、設備を不具合なく確実に運転できるようにする。そこで、そのような設備を検査する専門組織の認証条件を定めるとともに、そのような検査員が満たさなければならない所定の最低要求事項も定める。

(6) 設備に関する業務を専門事業場だけに限定し、専門組織等が監督する体制を作る。

[1] https://www.bmu.de/fileadmin/Daten_BMU/Download_PDF/Glaeserne_Gesetze/19._Lp/awsv_novelle/Entwurf/awsv_novelle_refe_bf.pdf

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