GEは2014年9月29日、産業廃水から再生可能エネルギーを生産する膜ベースの新たな廃水処理技術を発表した。
ZeeWeed 500膜を使った嫌気性膜バイオリアクター
この廃水処理技術の中核を成しているのは、嫌気性消化技術をGEのZeeWeed 500膜と組み合わせた嫌気性膜バイオリアクター(AnMBR)である。GEは、この技術を売り込むターゲットとして、再利用する水の量を増やしつつ、同時に、厳しさを増す排水基準をも満たしたいと考える産業顧客を想定している。
嫌気性消化では、酸素の存在しない条件下で、生物分解性物質が微生物によって分解される。このプロセスによって最終的にできるもののひとつがバイオガスで、これを燃焼させることにより電力と熱を得ることができる。
産業廃水に最適の技術
GEによれば、生物化学的酸素要求量(BOD)と化学的酸素要求量(COD)の値が高く、好気性処理法を使ったのでは費用が高くつく産業廃水の処理に、AnMBRというこの新しい技術は理想的なソリューションを提供するという。AnMBRは、エネルギー消費量と汚泥を削減しつつエネルギー回収を可能にする技術である。
AnMBRとPurposeEnergyのTribrid-Bioreactorの組み合わせも
上記の発表と同じ2014年9月29日、GEは、AnMBR技術をPurposeEnergyのTribrid-Bioreactorと組み合わせて使用することでPurposeEnergyと合意に達したことを明らかにした。Tribrid-Bioreactorは、食品・飲料産業で発生する廃棄物の処理に特化して設計された嫌気性消化装置である。
GEによると、AnMBRとTribrid-Bioreactorの組み合わせは、食品・飲料メーカーがこれまで用いてきた嫌気性処理プロセスの抱える問題を解決するものだという。この方法によれば、バイオマスはまったく失われることがなく、有機固体成分も不活性固体成分も排出されないため、最終的な排出水に懸濁物が混ざることがなく、水質が大幅に改善される。これについてPurposeEnergyのEric Fitch CEOはこう述べている。「われわれが展開しようとしているこのソリューションは、廃水の排出量を80%削減するとともに、再生可能な熱と電力をそこから得ることができる」