中国、“城鎮汚水の排水管網への排出許可管理弁法”を2015年3月1日から本格実施へ――違反者に対する罰金を大幅に引き上げ

中国住宅・城郷建設部は、2015年1月22日付けで“城鎮汚水の排水管網への排出許可管理弁法”を制定した。従来の“都市排水許可管理弁法”に代わる同弁法は、従来の旧弁法と比較して適用範囲をより明確にするとともに、管理方法を明確にし、さらに違法コストを大幅に引き上げている。今後、無証排水、違法排水等の行為に対し、最高50万元(約1000万円)の罰金が科せられる可能性があり、旧弁法の最高1万元(約20万円)の罰金と比較すると、その上限が大きく引き上げられている。同弁法は、2015年3月1日から本格的に実施され、旧“都市排水許可管理弁法”は廃止となる。

適用対象

新弁法の適用範囲として、工業、建築、飲食、医療等に従事する企業・独立(行政)法人・個人事業者等(以下、排水戸と称する)による排水行為が監督管理の対象となる。旧弁法と異なり、新弁法では、「城鎮部一般住民による生活排水の排出に関して、排水許可証を申請する必要がないものとする」として、一般生活排水をその対象から明確に除外している。

事業者(排水戸)の義務

排水戸は、新弁法の規定に従い排水許可証を受領し、許可証が明確にした排水の類別、総量、時限、排出口の位置と数量、汚染排出物の種類と濃度に関する要求に従わなければならない。また、排水戸は、以下の行為を行ってはならない。

  1. 排水施設へ猛毒物、可燃物、爆発物、腐食性廃液・滓渣、有害気体および厨房油煙などの排出
  2. 排水管つまりを起こすゴミ、工事泥漿、油、汚泥等の排出
  3. 排水施設の無断解体、移動、破壊等
  4. 排水施設へ汚水の加圧排出等

違反者に対する罰則

排水戸が、汚水を雨水管網に排出し、城鎮排水主管部門の改正命令を無視しあるいは重大な事態を起こした場合、企業に対しては10万元(約200万円)以上20万元(約400万円)以下の罰金、また個人に対し2万元(約40万円)以上10万元(約200万円)以下の罰金が課せられることになる。また、排水許可証を受領せずに排水した、又は排水許可証の要求に違反した排水戸に対し、城鎮排水主管部門は違法行為の停止と期間限定の改正を命じることのほか、重大な事態を起こした場合、排水許可証が取り消され、50万元(約1000万円)以下の罰金が課せられる。重点排出企業/事業者と指定された排水戸の場合、30万元(約600万円)以上50万元(約1000万円)の罰金が課せられる。

また、当事者は関係損害賠償を払わなければならない。犯罪行為と認定される場合は、刑事責任を問われることとなる。旧弁法の最高1万元(約20万円)の罰金と比べて、新弁法の実施により違法コストが大幅に引き上げられることになる。

【関連情報】
上述の“城鎮汚水の排水管網への排出許可管理弁法”の原文は、以下のURLより閲覧できる(中国語:簡体字)。
http://www.mohurd.gov.cn/zcfg/jsbgz/201502/t20150210_220289.html

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