ワシントン州、将来の水不足に備えた水再生利用の規則案を公表

ワシントン州エコロジー局は2015年6月22日、各地方自治体による水の再利用や再生利用を促進することによって将来の水不足に備えることを目的とした「再生処理水規則案」を公表し、意見募集を開始した。水再生利用とは、下水を、灌漑、粉塵抑制、トイレの水洗などの用途に安全に使えるレベルにまで再生処理して利用することをいう。再生処理した水を使うことにより、限られた飲用水資源の浪費を防ぐことができる。再生処理水はまた、湿地帯の創出、回復、および涵養、地下水の涵養、および河川の流量増大に利用することができる。こうすることで、ピュージェット湾その他の水域への下水処理施設からの排水を減らし、水質改善につなげることができる。

この規則案を策定したワシントン州エコロジー局のMaria Bellon局長はこう述べている。「規則案は、われわれの州に、将来の水不足や旱魃による影響を低減するためのもうひとつの手段をあたえてくれるものだ。これは、河川湖沼や海洋の健全性を維持し、減少しつつある水資源を保護するためのものであるとともに、気候変動に備えるわれわれのより広範な取組の一部でもある」

ワシントン州では、オリンピア市、レイシー市、タムウォーター市、クインシー市、エアウェイハイツ市、キング郡など、28の地方自治体がすでに再生処理水の利用をはじめている。

「再生処理水規則案」のおもな内容

ワシントン州の「再生処理水規則案」は、水再生利用のあらゆるプロジェクトを対象とした基準や許認可条件などの新たな枠組を定めるものである。

この規則案には、おもに以下のような内容が盛り込まれている。

  • 再生処理水の生産、流通、および使用に必要な単一の許認可
  • 公衆衛生を守る再生処理水の定義
  • 水利権問題を明確にするとともにその解決に役立つプロセス
  • 現在稼働中のすべての水再生処理施設が新規制に適合するための、柔軟性条項を含む要求条件

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