ブラジル下院、降水量が少ない地域での商工業における水の再使用を義務付ける法案を審議

ブラジル下院で、2015年5月に提出されていた、降水量が少ない地域での商工業における水の再使用を義務付ける法案No.1675-Aの審議が始まった。本法案は以下を規定するものとなっている。

  • 降水量が少ない地域での、商工業向けの新しい建設に対する許可取得条件として、水の再使用を義務付ける(第1条)
  • 規模や建設敷地面積、活動内容、水使用量、排水の質と量などの対象事業所基準や、水の再使用率、規制対象地域を特定するための降水量基準は、適用規則で規定される(第2条)
  • 法令発効後に適用される新しい建物の商業ライセンスにあたっては、事前に、当局による水の再使用率の検査を受けなければならない(第3条)
  • 既存の商工業事業所は5年以内に、規定の水の再使用率達成の為のタイムスケジュールを、当局に提出すること(第4条)
  • 法令は、公布日から180日後に発効となる(第5条)

ブラジルでは2014年に1953年以来の大旱魃により、年降水量が従来の60%に落ち込み、2015年2月には特にサンパウロで深刻な水不足に陥った。サンパウロでは、水の消費の40%は工業部門および農業部門によるものとなっている。政府は、断水や、水消費量を20%減らした消費者に対する水道料の30%のボーナス供与などの措置をとっているが、週に2日しか水道の水が使えない地区もあり、工業生産減や野菜などの値段高騰や、それに伴う社会不安を招いている。

法案の提議書では、ミナスジェライス州ベチン市の自動車組み立て工場が、製造過程の水使用の99%に再使用の水を利用しており、工場の従業員がその実践に触発されて、各家庭でも水の再使用をしている事例が言及されている

法案は今後、都市開発諮問委員会、鉱物資源・エネルギー諮問委員会、憲法・法務諮問委員会、住民諮問委員会で審議される。

法案No.1675-Aは、以下のサイトからダウンロード可能。
http://www.camara.gov.br/proposicoesWeb/prop_mostrarintegra;jsessionid=94340A29B5F40DC5A1CDF60387EE5C43.proposicoesWeb1?codteor=1375523&filename=Avulso+-PL+1675/2015

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