Suez Environnement、豪州事業の統合を視野にSembSita Pacificの完全子会社化へ

Suez EnvironnementとシンガポールSembcorp Industries社*1は2015年9月21日、両社が2000年に共同で立ち上げたSembsita Pacific社の株式のうちSembcorp Industries社が保有している40%をSuez社が4億8500万オーストラリアドル(約411億1800万円)で取得する方向で合意を結んだことを発表した。オーストラリアでは、このような企業間取引は外国投資審査委員会(FIRB)の承認を得る必要があり、手続きが完了するのは2015年第4四半期と見込まれている。

合意が実現すれば、Suez社はSembcorp Industries社を完全子会社とし、同社を介して、オーストラリアで廃棄物回収事業を展開しているR&R Australia社を100%所有することになる(下図)。

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図 現在の出資構成と計画している今後の出資構成
(出典:Suez Environnement プレスリリース)

SembSita Pacific社はオーストラリア市場において、特に機械生物的廃棄物処理(MBT)による廃棄物回収の分野で主導的な位置を占めており、5万6000の商工業顧客を有している。同社を完全子会社化することにより、Suez社はオーストラリアで展開している水、廃棄物、建設関連事業を完全統合することができ、クロスセリング*2を促進し、操業シナジー*3を引き出すことが可能になる

Suez社のジャン=ルイ・ショサード(Jean-Louis Chaussade)最高経営責任者(CEO)は、今般の合意の意義について「この企業間取引により、Suez社はオーストラリアにおける事業のポートフォリオ全体を統合することができ、きわめて有望な市場において版図拡張とビジネスの伸長を加速することが可能になる。また、操業シナジーと財務シナジーの両方を引き出すことも可能になる」などとコメントしている。

*1 Sembcorp Industries社はエネルギー、水、海洋開発の分野において世界規模で事業を展開。同社の総資産は180億シンガポールドル(約1兆5222億円)以上で、シンガポール取引所(SGX)のメインボードに上場している。

*2 ある商品やサービスの販売にあたり、関連する別の商品やサービスを同時に購入するよう促す販売手法。いわゆる追加販売。

*3 相乗効果(シナジー)の1つ。施設と人的資源の共通活用、原材料の一括仕入れ等によって生じる。

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