インドネシアの現地メディアが報じたところによると、同国の環境森林省は河川に排水する全ての企業に対して排水管への水質センサー設置の義務化を2017年より始めるという。これは、同省の環境汚染・環境破壊管理総局長であるカルリアンシャー氏(Karliansyah)が2016年3月18日に語ったもので、オンラインでの監視システムを可能にするものである。同氏によると、2017年からの開始を予定している本制度は、「排水質基準に関する環境大臣規則2014年第5号*1」の改正により、実施するという。「同システムの有益性は大きく、わずか3週間で検査を完了することができる。現在我々は検査を終了させるのにほぼ1年を要している」とカルリアンシャー氏は説明する。
全てのセンサーが環境森林省にオンライン接続される予定であり、これにより企業が河川に排水する水の水質データを直接知ることができるようになる。カルリアンシャー氏によると、3億ルピア(約240万円)程度の費用が見込まれる水質センサー設置は、約15年という長期間にわたり使用可能であるため、排水のサンプル試験に出費される毎月1000万ルピア(8万円)の試験費用と比較した場合、遥かに安いと言える。
また、環境汚染・環境破壊管理総局の汚染・水管理局長スリ・パルワティ・ムルワティ・ブディ・スサンティ氏(Sri Parwati Murwati Budi Susanti)は、オンラインの水質監視システムは既に15箇所で導入されており、そのうちの幾つかはチリウン川およびチタルム川に設置されている。「この2つの河川は、既にオンラインによって水質を監視することができる」と説明する。今年、ジャワ島のほかの河川、すなわちチサダネ川、ブランタス川、ベンガワン・ソロ川、およびセラユ川にも設置されるという。同センサーの設置によって直接、鍵になる6つのパラメーターを見ることができるようになる。同氏によると、技術評価応用庁(BPPT)は同センサーを試作しており、海外のセンサーを使用する必要がなくなる。また、センサーの存在を監視するために、設置箇所における閉回路テレビ(CCTV)の設置計画もある。
*1 EWBJ54号に関連記事あり「インドネシア、産業排水基準に関する環境大臣規則を公布――過去の20の関連規則に替わる」