チリ・公共事業省、国内初となる水図鑑を発表――水資源情報や飲料水普及、淡水化プラント情報を掲載

チリの公共事業省水資源一般局は、国内では初めての、水図鑑2016年版を発表した。河川や湖、氷河などの国内の水域の状況や、水資源インフラ、河川の水量や降水量の変遷などをまとめたものとなっており、例えばアタカマ州のウアスコ川は、過去33年間の平均水量から83%減少して過去最低の水位が記録されている点や、コキンボ州のエルキ川も73%減少、また過去49年間の降水量比較では、バルパライソ地方で1965年から66%減少しているなどの現状が報告されている。その他、以下が報告されている。

  • 水の使用の部門別割合は、全国平均で農牧用が82%、飲料水用が8%、工業用が7%、鉱山用が3%で、合計654.40 m3/sとなる。

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図 チリにおけるセクター毎の水使用量(単位:m3/s)
(出典:チリ水図鑑2016)

  • 都市部の飲料水普及率は、1965年には53.5%だったのが2014年には99.9%、下水道普及率は、1965年には25.4%だったのが2014年には96.7%、汚水処理率は、1990年には12.20%だったのが2014年には99.93%となっている。
  • 2014年12月末現在、上下水道サービス会社は全国27社で、うち95.71%は民営、4.29%は国営となっている。このうち最大のものは、Aguas Andinas社とESSBIO社で、各々全国の利用者の15%以上をカバーしている。
  • 農村部の飲料水普及率は、1960年には6%だったが、現在、人口150人以上で上水道1kmあたり15世帯以上の村落の飲料水普及率は100%となっている。
  • 北部の乾燥地帯で特に水不足が高まっており、淡水化プラントが増加している。2015年には20の淡水化プラントが稼動中で、うち11プラントは鉱山用、8プラントは飲料水用、1プラントは工業用で、大部分が北部のアントファガスタ州に集中している。この他に、16プラントが建設中となっている。2015年3月にバチェレ大統領は、短期から長期の「国家旱魃対策計画」を発表しているが、2018年3月までの任期中に、飲料水や灌漑用水など住民の使用向けの5つの淡水化プラントの、建設入札を開始する為に必要なスタディを完了させる計画が盛り込まれている。なお、各淡水化プラントの位置、状況(稼働中、建設中など)、用途(飲料用、工業用、鉱業用)については、本報告書の131ページ(以下に示す第4巻に収録)に掲載されている(下図)。

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図 チリにおける淡水化プラントの状況
(出典:2016年チリ水図鑑)

 2016年チリ水図鑑(全4巻)は、以下のサイトからダウンロード可能
第1巻 http://www.dga.cl/DGADocumentos/Atlas2016parte1-17marzo2016b.pdf
第2巻 http://www.dga.cl/DGADocumentos/Atlas2016parte2-17marzo2016b.pdf
第3巻 http://www.dga.cl/DGADocumentos/Atlas2016parte3-17marzo2016b.pdf
第4巻 http://www.dga.cl/DGADocumentos/Atlas2016parte4-17marzo2016b.pdf

 

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