スウェーデン、2種類のBPAを含むエポキシ樹脂を給水配管に使うことを禁止

スウェーデンは2016年9月1日から、ビスフェノールAとビスフェノールAジグリシジルエーテルを含む、2種類のエポキシ樹脂を給水配管内部の新規プラスチック管に使用するのを禁止する

スウェーデン政府は、スウェーデン化学品庁らに、修復された給水配管から排出されるビスフェノールA(BPA)の成分解析を実施するよう指示していた。水道配管は一般に、古い配管内部に新しい配管を挿入することで修復できる。この方法は、更生工事(リライニング)と呼ばれている。スウェーデンでは2011年まで、BPAを含みBPAを排出するおそれのあるエポキシ樹脂が給水配管の更生工事で使われてきた。BPAはおもに、給水配管の更生工事で使われた特殊なエポキシ材料から溶出している。

化学品庁によると、飲料水から検出された程度のBPA濃度では、人の健康に対するリスクはない。しかし、温水ではBPA濃度が比較的高くなる。ぬるま湯に乳児用調製粉乳を溶かす親がいるかもしれない。同庁によると、蛇口から直接とった水を温め、乳児用粉乳を溶かして、乳児に毎日与えても、乳児に対する悪影響は非常に小さい。

スウェーデン国民は、低度であるが継続的にBPAに曝露している。化学品庁によると、BPAは、内分泌かく乱物質であり、たとえ非常に低度の曝露であっても、胎児や幼児に対し有害な作用を誘発する疑いがある。したがって、BPA曝露を可能な限り低く抑えることが決定的に重要である。同国では、子どものBPA曝露を減らすための措置として、3歳以下の子供を対象とした哺乳瓶や食器にBPAを使用するのをすでに禁止している。化学品庁によると、望ましくなく、不必要な化学物質への全般的な曝露を減らす取り組みの一環として、BPAに汚染された水が生じるかもしれない技術の利用を今後避けるべきである。

こうして、給水配管の更生工事に伴うBPA排出を予防するため、スウェーデン化学品庁、国家住宅・建築物・計画委員会、国家食糧庁は、給水配管に2種類のBPAを含むエポキシ樹脂を使用するのを禁止する措置を講じることにした。そのため1998年化学製品(化学製品の取扱いと輸出入の禁止)令は、以下のリンクにある2016年7月12日の改正令によって改正された。
http://www.kemi.se/files/97ff78b2ce494f31abb11d7e12ca4d86/andring-1998-944-2016-829.pdf

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