2016年8月30日に現地で報じられたところによると、インド・デリー水道局(DJB:Delhi Jal Board)はjhuggi-jhopriと呼ばれるスラム街や地下階、さらには賃貸物件を含めたデリーの全家庭に戸別の水道を供給することを決めたという。DJB職員によればデリーには現在、戸別の水道が敷かれている世帯が1万9000戸存在するが、今回DJB が発表した「DJB Jal Adhikarスキーム」の実施後、この数字は何倍にも増加すると期待されている。
2017年までに全ての市民に戸別の給水を予定
「電気法の下、住居の状態に関わらず全ての消費者が電力の供給を受けることとされています。給水についても同様に、合法的な水道が提供されなければ、結局非合法な給水を得ることになります。現在、デリーに住む全ての人が水を使用しており、戸別給水の実施はDJBの利益になるのです。ただし、こうした戸別給水は物件に何らかの恒久的な権利を付与するものではありません」とDJB職員はコメントしている。地下階に上下水道を敷設することについては、専門家による委員会がその妥当性を検討した上で、消費者自身が対象となる住居に必要な措置をとるのであれば、承認してもよいだろうとの見解が示された。
またDJB職員は、DJBでは今後人々に戸別の給水を受けるよう奨励するとともに、不法な給水を取り締まっていくと述べた。デリー首都圏のArvind Kejriwal首相は、2017年末までに域内全ての世帯に戸別給水を敷設すると発表した。DJBの情報筋は、今回の目標について、給水設備の敷設については問題がなく、またデリーには全住民の水需要に応えられるだけの充分な水がある一方で、現在の給水の不公平さが公平な給水を実現する妨げになっていると話した。
さらに、DJBは、全ての民間事業者を対象に、支払いが遅延した場合にかかる割増料金を引き下げることを決めた。DJBのKapil Mishra総裁は、2016年11月30日までに未払い金残高の元本を全て支払った場合には割増料金は免除すると発表した。未払い金は、1回で払うことも、4回に分けて支払うこともできる。この措置により、総額約190億インドルピー(約263億円)の未払い金のうち、110億インドルピー(約169億円)が免除されることになるとDJBでは見ているという。またこの他、DJBでは地下水を使用している事業者、またはDJBのものではない水道を使用している事業者に課していた追加の下水道料金の徴収を止めることを決めた。