中国政府4部門、重点用水企業水効率トップランナー行動実施細則を公布

中国の工業情報化部、水利部、発展改革委員会および質検総局の4部門は2017年1月22日、重点用水企業という水資源多消費企業に対象とした水使用効率トップランナー行動の実施細則(以下、細則)を公布した。今後はまず鋼鉄、エチレン、紡績捺染、製紙、化学調味料など一部の産業で試験的に実施し、段階的に電力、鋼鉄、紡績、製紙、石化、化工、食品などの重点産業をカバーする水使用効率トップランナー制度を構築する計画である。

同「細則」によれば、重点用水企業水効率トップランナーの申請者は下記の条件を満たすべきである。

 

  1. 国家、業界、地方関連の節水政策・基準を遵守していること
  2. 水資源の取得・使用に関する法的手続きを取ったうえ、過去3年間に計画取水を超過した行為がないこと
  3. 過去3年間に安全と環境における重大事故、違法行為がないこと
  4. 年間取水量が30万m3を超えた独立法人であること
  5. 前年度の水効率指標が節水型企業国家基準を達成し、且つ業界先進レベルに達すること
  6. 国に明文禁止または禁止、淘汰リストに列記された水使用設備あるいは器具を使用していないこと
  7. 新規・改築・増築プロジェクトに節水「3同時」(節水施設は主体工事に同時設計、同時工事、同時竣工)、「4徹底」(水使用者は水使用計画の実行、節水目標の達成、節水施設の設置、節水の管理を徹底する)制度を実施すること
  8. 節水管理制度を確立し、各生産段階に適応した節水措置を取り入れ、水使用の計量と統計管理体系を完備させ、関連計量器具が国家基準に達成し、規定通りに検定又は較正をしていること

今後、工業情報化部をはじめとする4部門、産業協会、第三者機構などは2年に1度重点用水企業水効率トップランナーの審議を実施する。関連企業は自主的に申請書類を提出して参加することができる。書類審査、現場確認、専門家審議などの形で一次審議、二次審議を経て、各産業において水効率トップランナー35社を選出する。

選出された水効率トップランナーに対して、政府は関連政策支援を強化する計画がある。中央財政資金は優先的に節水技術改造プロジェクトに投入する。中央政府予算内投資を優先的にトップランナーの水効率向上関連に向ける。地方政府にもトップランナー関連促進政策の策定を奨励する。ほかに、金融機構の参画を奨励する。トップランナー企業の与信限度額を引き上げることや担保、貸付関連支援を強化し、公民連携のPPP方式の整備を図り、サービスの創新を奨励する。

【関連URL
「中国政府4部門、重点用水企業水効率トップランナー行動実施細則を公布」の原文は下記のURLよりダンロード可能である(中国語:簡体字)。
http://www.miit.gov.cn/n1146295/n1652858/n1652930/n3757016/c5506741/content.html

タグ「」の記事:

2020年7月10日
台湾環境保護署、「水汚染防止法事業分類および定義」の改正を公告――オイル貯蔵場や貯蔵施設の分類・定義を改める
2020年7月9日
米EPA、飲料水中の過塩素酸塩を規制しない方針を最終決定
2020年7月8日
ベトナム、水資源開発や排水の許可承認に関する手数料を暫定的に減額する通達を制定
2020年7月7日
ベトナム、水資源分野の違反に対する罰則を定める政令を制定
2020年7月6日
中国標準化研究院、「汚水処理装置一式」など3本の国家標準の意見募集稿を公表し意見募集