アルゼンチンの公共事業・住宅省の水資源局は、投資総額約95億米ドルの上下水インフラ、ダム、灌漑設備などの水インフラ事業への、国内外の民間企業の参加の募集を開始した。興味がある企業の意思表示は、2017年9月15日から12月15日まで、同省のwebサイト経由で受け付けられている。参加に興味がある企業は、金融機関による中期融資スキーム、過去2年の財務諸表、プロジェクト実施に関係する過去の実績を添えた所定の書式を、同省に提出する必要がある。

図　募集しているPPPプロジェクトの分布
（出典：アルゼンチン　公共事業・住宅省　水資源局）

公共事業・住宅省によれば、募集する38のプロジェクトはどれも地方政府に承認されて技術的に実施可能なものであり、民間企業の興味を引くものとなるはずとされている。アルゼンチン政府はこれらのプロジェクトにより、都市部における飲料水普及100%および下水道普及75%を目指しているが、アルゼンチンではインフラへの投資はGDPの2-4.5%とされているため、予算を超える資金を民間の融資でまかなうことが、今回の募集の目的となっている。

12月15日までに集まる民間企業からの意思表示によりプロジェクトの改善点が検討され、その後プロジェクトごとに正式な入札プロセスが開始する。プロジェクトの内訳は下表の通り。

上下水プロジェクトのうち投資金額が大きなものとしては以下が挙げられる。

• ブエノスアイレス州の上下水インフラ整備：12億米ドル
• トゥクマン州の老朽化した下水道の復旧：1億1890万米ドル
• トゥクマン州の老朽化した上水道の復旧：1億8425万米ドル
• サンタフェ州の上水道建設：2億3000万米ドル
• サンタクルス州の飲料水及び灌漑用水供給インフラ：11億6800万米ドル
• メンドサ州の上水道復旧：1億2294万米ドル
• ブエノスアイレス州の下水道建設：4億5000万米ドル

38の募集プロジェクトの詳細は、公共事業・住宅省の以下のサイトで参照可能。
https://www.argentina.gob.ar/manifestacion-de-interes