アルゼンチン政府は2017年12月29日、米州開発銀行IDBの融資2億米ドルを、「ベルグラーノ計画」の上下水サービス開発部門への投資の一部にあてることを承認する、政令No.1120/2017[1]を公布した。ベルグラーノ計画は、2015年12月に現マクリ大統領が発表した、開発が遅れているアルゼンチン北部のサルタ、ジュジュイ、ラ・リオハ、カタマルカ、ミシオネス、コリエンテス、チャコ、フォルモサ、サンチアゴ・デル・エステロの10の県での社会投資プログラムで、4年間で約8.5億米ドルをインフラに投資する計画の他、25万人の住民向けの住宅プロジェクトなどが予定されている。
政令No.1120/2017で承認されたIDBの融資は、以下を目的とする上下水インフラ建設及び機関の体制強化や調査研究に使われ、プログラムの実施は公共事業・住宅省が管轄する。
- 上下水サービス普及率を上げる。
- 汚水処理により環境衛生条件を向上させる。
- 上下水サービス会社の運営能力を改善する。
IDBの融資額は2億米ドルだが、アルゼンチン政府側からも7000万米ドルが拠出され、上下水プロジェクトは合計2億7000万米ドルのものとなる。融資金額の使途の内訳は、以下の通りとなっている(単位:百万米ドル)(IDBとの融資契約書No.4312/OC-AR付属書)。
使途内容 | IDBの融資額 | アルゼンチン政府拠出額 | 合計 | % |
---|---|---|---|---|
インフラ建設 | 182.9 | 64.1 | 247.0 | 91.5% |
機関の体制強化・調査研究 | 14.8 | 5.2 | 20.0 | 7.4% |
プログラム管理 | 2.3 | 0.7 | 3.0 | 1.1% |
合計 | 200.0 | 70.0 | 270.0 | 100% |
% | 74.0% | 26.0% | 100.0% |
契約ではプロジェクトの選考基準として、人口1万5000人以上の地域を対象とすることや、地方政府やサービス事業者により建設したインフラの運営資金が確保されていること、インフラ建設工事実施前にプログラム実施計画書が承認されていること、IDBの環境基準でBまたはCのカテゴリーに分類されていることなどが挙げられている。
[1] https://www.boletinoficial.gob.ar/#!DetalleNorma/176951/20180102