インドネシアで、2018年9月6日、「事業および/または活動における連続的かつオンライン方式での廃水モニタリングに関する環境林業大臣規則2018年93号」(以下、本規則)が制定された。本規則は、特定の産業種を対象に、廃水のオンライン連続モニタリング装置の設置を義務化するものである。本規則は制定と同時に施行されたが、モニタリング装置の設置については2020年9月1日までに完了する必要がある。
本規則の原文は以下よりダウンロード可能。
http://103.52.213.225/hukum/simppu-lhk/public/uploads/files/P.93-2018%20QUA%20AIR%20LIMBAH.pdf
対象業種
本規則のもとで、廃水の水質を連続的かつオンラインでモニタリングするシステム(インドネシア語の頭文字をとって“Sparing”という略語が当てられている)の導入が義務づけられた産業種は以下である。「k. 繊維業」のみ、生産量での指定がある。
- レーヨン産業
- パルプおよび製紙産業
- 製紙業
- 石油化学(上流工程)産業
- 基礎油脂化学産業
- アブラ椰子産業
- 製油産業
- 石油・ガスの探鉱および製造
- 金および銅の採鉱
- 石炭の採鉱
- 繊維業(1日当たり生産量1000m3以上)
- ニッケル採鉱
- 肥料製造
- 工業団地
事業者に対する主な要件
本規則の付属書Iで定められるSparingの動作メカニズムを順守し、必要な機器(下図)を設置しておくことが対象事業者には求められる。モニタリングする水質パラメータは産業種毎に異なり、具体的には付属書IIで規定されている(pH、COD、TSS、アンモニア態窒素、廃水量から成る)。また、モニタリング機器の必須技術仕様は付属書IIIの通りである。
モニタリング結果の報告様式は付属書IVで定められる通りで、1時間毎の各パラメータの計測値および水質汚染負荷の算出値が、環境林業省のデータセンターを通じて大臣や州知事などに送られる。
図 Sparingに必要なモニタリング用機器の例
(出典:インドネシア環境林業大臣規則2018年93号 付属書I)