長江デルタ経済帯一部の水域で発生した深刻な総リン基準オーバー問題を解決し、一部のリン関連企業による水環境汚染リスクを排除するため、中国・生態環境部は2019年4月に「長江『3つのリン』特別調査整備行動実施計画」(以下、「方案」)を発表した。湖北省、四川省、貴州省、雲南省、湖南省、重慶市及び江蘇省の7省(市)を対象としている。
生態環境部執法局の担当者によると、同「方案」は「3つのリン」特別調査整備行動の総体要求と実施計画を明らかにしたもので、「3つの重点、5つの段階」という言葉で概括することができる。
「3つの重点」とは、リン鉱、リン酸塩処理、リン石膏倉庫を重点に調査整備することである。それぞれの目標は以下の通り。
リン鉱 |
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リン酸塩処理 |
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リン石膏倉庫 |
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「5つの段階」は「問題探し・計画立て・リスト校正・進捗状況監督・効果評価」で構成されている。具体的には以下の通りである。
問題探し | 問題を洗い出す段階である。「3つのリン」に関する問題点を洗い出し、問題リストを把握し、業界の特徴を整理する。 |
計画立て | 分類・整備する段階である。整備台帳を作り、分類し、整備を進める。 |
リスト校正 | 発見できなかった問題点を洗い出し、解決する段階である。問題リスクと整備計画を校正し、発見できなかった問題点を洗い出し、解決する;隠蔽、虚偽報告の実態を調査し、黄燐企業に関する整備行動を完成する。 |
進捗状況監督 | 進捗状況について監督を行う段階である。調査整備状況を確かめ、促すこと、完成済みの整備業務をリストから外すこと、燐鉱、リン酸肥料企業、有機リン系農薬企業に対する整備を完成すること、などが含まれる。 |
効果評価 | 審査検収の段階である。重点燐石膏倉庫の整備を持続的に推進し、深刻な問題を不断に解決し、「3つのリン」特別調査整備行動の実効を審査・検収する。 |
また、生態環境部執法局の関連の担当者によると、長江「3つのリン」特別調査整備行動は「長江保護・修復攻略戦」の重要な一環として、2年ほどの期間内に、関連業界の状況を基本的に明らかにし、当業界の汚染がひどく、リスクが高く、法律・規範違法行為が深刻であることなどを含む厳しい生態環境問題を重点的に解決するという。