米農務省、上下水道インフラプロジェクトに合計1億9,200万ドルを投資

米農務省(USDA:US Department of Agriculture)は2019年6月26日、全米の農村地域における上下水道インフラを更新するため、29州に跨る合計71件のプロジェクトに対して合計19,200万ドル(約2089,100万円)を充当開始したと発表した。今回の取組みは、農務省が展開する上下水道ローン補助金プログラム(Water and Water Disposal Loan and Grant Program)の一環として実施される。

農務省上下水道ローン補助金プログラムは、人口1万人以下の農村地域における、飲料水、雨水排水、排水処理システムなどの上下水道インフラの新設や更新などを実施する農村地域の地方自治体や上下水道事業者に対してローンや補助金が充当される。農務省農村地域振興局(USDA Rural Development)局長代理のJoel Baxley氏は、「トランプ大統領や農務省Sonny Perdue長官は、農村地域のインフラ改善を地域振興の土台として位置付けており、同地域の水需要を特定し、それを達成することを明確化している。安全且つ信頼性の高い水インフラの整備は、米国の農村地域における住民の健康や安全性、経済発展の観点から重要である。安全な飲料水の供給や機能的な排水処理システムの整備なくして、農村地域の持続可能な発展は不可能である」と述べた。

今回農務省が発表した71件に上るプロジェクトのうちの主なプロジェクトの一例は以下のとおりである。予算配当の対象地域とそのプロジェクトの概要をまとめた。

  • フロリダ州アパラチコラ市(居住人口2,328人):中核となる浄化施設の改善。ろ過過程を更新し、処理水における消毒副生成物の水準を低減する。水供給人口は1,463人に上る。ローン支給額は474,000ドル(約5,157万円)、補助金支給額は120万ドル(約1億3,057万円)
  • アイオワ州シガニー市(居住人口2,059人):排水処理システムの更新。予備電源の購入に加えて、曝気システムの新設やバイオリアクタの建設を行う。排水処理システムの更新により、アイオワ州天然資源局(Iowa Department of Natural Resources)が新規設定したアンモニア基準値の遵守が可能となる。ローン支給額は390万ドル(約4億2,434万円)
  • アイダホ州ムーラン市(居住人口783人):全長14,500フィートに上る下水管本管の更新と103カ所のマンホールの取換・修復。下水道バイパス管や未処理排水を減らすことで環境を改善するほか、マンホールの欠陥を修理する際に市の作業員が晒されていた危険リスクを除去するとともに、道路のくぼみを防止する。米農務省による120万ドル(約1億3,057万円)のローンと393,000ドル(約4,276万円)に上る補助金に加えて、米陸軍工兵隊(US Army Corps of Engineers)が100万ドル(約1億880万円)、米住宅都市開発省(US Department of Housing and Urban Development)が500,000ドル(約5,440万円)、アイダホ州環境質局(Idaho Department of Environment Quality)も30,000ドル(約326万円)の資金を提供する。

米国議会は、2019年度連邦予算として、米農務省が実施する水環境プログラム(Water and Environmental Program)に合計29億ドル(約3,155億円)の予算を承認している。同省は更に追加予算配当を今後数週間以内に実施することを予定している。トランプ大統領は2017年4月、法規制や政策面での改正を通じて、農村地域における農業振興と地域発展を目的とした省庁横断タスクフォース(Interagency Task Force on Agriculture and Rural Prosperity)を立ち上げた。Perdue農務省長官は2018年1月、同タスクフォースで議論された提言内容をトランプ大統領へ伝達した。提言内容は合計で31項目に上り、そのうち鍵となる提言内容に、農村地域におけるインフラ投資の拡大が盛り込まれている。農務省農村地域振興局は、農村地域の経済活性化や雇用創出を柱として、上下水道を含めたインフラ改善や企業活動の支援、学校などの公共施設や一般住宅の建設、公共安全やヘルスケア、高速インターネットへのアクセスなどを支援している。

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