欧州化学品庁、飲料水と接触する材料に安全に使用できる化学物質のポジティブリストの編集を開始することを公表

欧州化学品庁(ECHA)は、2020年1月14日に飲料水と接触する材料(水道管や蛇口など)に安全に使用できる化学物質のリストの編集を開始することを公表した。その目的は、消費者の保護を改善し、業界の平等な安全基準を確保することである。

ECHAは、飲料水指令(欧州理事会指令98/83/EC)の改正により、飲料水と接触する材料に安全に使用できる化学物質の欧州連合のポジティブリストを編集および管理するタスクを与えられた。最初のポジティブリストは約1500の化学物質を対象にすることが予期されており、2024年までに欧州委員会によって採用される予定である。

欧州連合の最初のポジティブリストは加盟国の既存のリストに基づいているため、レビュープログラムが、ECHAがポジティブリストに掲載したすべての物質をそのリストの公表から15年以内に再評価することを通じて導入される。ECHAは、系統的レビューのために物質に優先順位を付け、それらの有効期限を勧告する。承認された各物質は、限られた期間の使用が許可される。レビューのタイミングは、物質の危険な特性および基本的リスク評価の品質および更新方法に基づいている。

企業は、化学物質をポジティブリストに継続して掲載させたい場合、ECHAにレビュー申請書を提出する必要がある。企業は、リストに新しい化学物質を追加する場合も申請書を提出する必要がある。また、加盟国は、例えば、飲料水中の物質の濃度限度が変更された場合、ECHAにドシエを提出して、物質をリストから削除したり、登録を更新したりすることができる。ECHAは申請書およびドシエを評価し、ECHAのリスク評価委員会は欧州委員会による更なる意思決定のための意見を形成する。

ECHAは、申請者および評価方法に関する情報要件の策定において欧州委員会を支援する。本作業は、食品接触材料との密接な関係があることから、欧州食品安全機関(EFSA)と緊密な協力の下で行われる。

飲料水指令の改正について、2019年12月18日に欧州議会および欧州理事会は飲料水指令の改正に関する暫定合意に至ったが、欧州議会および欧州理事会による正式な承認が引き続き必要である。承認後、本指令は欧州連合官報に掲載され、20日後に発効する。

上記の合意は、欧州市民イニシアチブ(European Citizens’ Initiative)の「水に対する権利(Right to WaterまたはRight2Water)」への直接の回答である欧州委員会が2018年2月1日に採択した改正案に基づいている。本改正案は、2016年12月1日に公表された「飲料水指令98/83/ECの規制適正化プログラム(REFIT:Regulatory Fitness and Performance Program)評価(REFIT EVALUATION of the Drinking Water Directive 98/83/EC、以下、REFIT評価と省略する)」に従っており、影響評価および世界保健機構の勧告を追加している。

REFIT評価では改善の余地がある4つの領域が特定されており、その領域の1つが「飲料水と接触する材料(materials in contact with drinking water)」である。飲料水指令の改正案では、現行の第10条(処理、機器及び材料の品質保証)を削除し、新規の第10条(域内流通リスク評価)と置き換えて、飲料水と接触する製品および材料に関連するリスクを含む域内流通システムに関連するリスクを評価する義務を取り入れている。新規の第10条では、飲料水と接触する建設資材および製品に適用される要件を設定するために、「建設製品規則(理事会指令89/106/EECを廃止し、建設製品の売買の調和化された条件を定める2011年3月9日付け欧州議会及び欧州理事会規則(EU) No 305/2011)」に基づいて標準化指令を発布することが提案されている。

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