中国工業情報化部、水利部など、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」を発表――選出の対象や基本的要件、選出手順など規定

中国工業情報化部、水利部、国家発展改革委員会および市場監管総局は2019年12月27日、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」(以下「通知」)を発表した。「通知」は、「国家節水行動計画」を徹底的に実施することで、工業用水の利用効率を向上させるため作成された。主な内容は以下のとおり。

選出対象

水利用効率トップランナーは、企業の用水規模、技術工程レベル、発展トレンド、節水のポテンシャル能力、企業の用水量、節水設備および標準などを総合的に考察し選出される。2020年度の選出対象は、鋼鉄、コークス、石油精製、現代石炭化学工業、エチレン工業、ソーダ工業、窒素肥料、製紙、紡織染色、化学繊維、ビール、調味料(グルタミン酸ナトリウム)、酸化アルミニウム、および電解アルミニウム、の14業種である。

基本要求

水利用効率トップランナーを申請する企業は、以下の要求を達成すべきである。

  1. 国家、業種、地方の節水政策や標準に従うこと;
  2. 合法的な取水・用水の手続きを行い、三年以内に計画を超える水の量を取水しないこと;
  3. 三年以内に重大安全事故や環境事故が起こらない、違法行為をしないこと;企業経営や信用のブラックリストに記載されないこと;
  4. 年間取水量が15万立方メートル以上の独立法人;
  5. 2019年の水効率指標は節水型企業の国家標準を達成し、業種のトップとなっていること;
  6. 国家の規定により禁止、淘汰された用水設備や器具を使用しないこと;
  7. 企業のプロジェクトの新設、改造、および増築において、節水に関する「三同時」[1]、「四到位」[2]制度を遵守すること;
  8. 節水管理制度を設置し、各生産プロセスにおいて節水措置を講じ、用水計量および統計システムを構築すること、水計量器具は国家標準「用水企業水計量器具配備および管理通則」(GB24789)を達成し、法律に従い検定を受けているかまたは正確に設置されていること。

選出手順

  1. 企業自らの申請;
  2. 省レベルの管理部門による審査;
  3. 国レベルの管理部門による審査;
  4. 結果公布;

上述の通知の原文は、下記のURLより閲覧できる(中国語簡体字)。
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057542/n3057544/c7595072/content.html

[1] 「三同時」とは、企業のプロジェクトの新設、改造、および増築において、汚染防止や公害防止、節水などの施設は同時に「設計」、「建設」、および「運営」することを指す。

[2] 「四到位」については、解釈が多くあるが、主に「人員」、「資金」、「管理」、「責任」のことを指し、「人員」、「資金」を十分に用意しており、「管理」、「責任」の関係者がきちんと役割を果たすことである。

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