Siemens、シンガポール国際水週間で地域への貢献をアピール

Siemens Water TechnologiesのChuck Gordon社長兼CEOは、2009年6月22からのシンガポール国際水週間(SIWW:Singapore International Water Week)の催しに出席し、つぎのように語った。「水という観点から見ると、アジア太平洋地域は他と大きく異なっている。この地域は、水と気候に関して最も深刻な課題に直面していると同時に、世界で水関連の研究開発が最も進んでいる地域でもある」

Gordon社長兼CEOはさらにこうつづけた。「この地域では特に、以前からつづいている人口増と工業化により、水資源の効果的管理と持続可能な長期ソリューションの必要性が増してきている。こうしたことから、われわれはアジア太平洋地域をSiemens Water Technologiesの将来の成長にとってきわめて重要な地域と見ており、ひきつづき研究開発に投資し、これを推進していくつもりだ」

 

SIWWでSiemens Water Technologiesは、この数週間でつぎつぎに操業を開始したチャンギ水再生利用プラントやチャンギNEWaterプラントなど、この地域における主要な施設のいくつかを重点的に紹介することにしている。これらプラントについてGordon社長兼CEOはこう述べた。「シンガポールの公益事業庁およびSembcorpとわれわれが共同で取り組んでいるチャンギのプラントは、最新の技術と持続可能な水処理ソリューションを具体化したものだ」

 

チャンギ水再生利用プラントは、シンガポールの大深度トンネル下水道システム(DTSS)の一部を成すもので、2009年6月23日に操業を開始した。このプラントは、処理済の水を一部は環境に放出し、一部はNEWaterプラントに供給するもので、DTSSの第1フェーズの中心部分である。この施設には、脱臭装置と、Siemens Water Technologiesが提供した1次および2次下水処理装置がそなわっている。多段スクラバーによる脱臭装置は、流入口の揚水場で悪臭を除去する。Siemensは、2次処理の曝気に使用するDual Air微細気泡散気システムおよびWide Band粗大気泡散気システムをおよそ5万セット納入した。また、従来よりも小さな床面積で下水を高度に処理することのできる48のスタック清澄分離装置用として、回転鎖清掃機構を484セット納入した。このプラントは、1日に80万立方メートル以上の下水を再生処理することができる。

チャンギNEWaterプラントはチャンギ水再生利用プラントの上に建てられており、第1フェーズの運転を2009年5月に開始した。造水能力は現在のところ日量6万9000立方メートルだが、2010年5月の完成時には日量22万8000立方メートルとなる。このNEWaterプラントに、Siemens Water Technologiesは7基のMemcor CP膜濾過システムを納入した。膜濾過システムの設置面積と重量は、設計上きわめて重要なファクターだった。これらシステムをチャンギ水再生利用プラントの屋上に設置する設計になっていたからだ。また、プラントの運転を担当するSembcorpにとっては、長期的な運転コストとエネルギー効率も重要な要素だった。Memcor CPシステムはそのユニークな設計により、エネルギーと化学薬品の消費量を削減している。

 

Gordon社長兼CEOはさらにこう述べている。「われわれが顧客とのパートナーシップやビジネス間のパートナーシップで最高にうまくいっているのは、相互の理解と共通の目標があるからだ。これらプロジェクトのひとつひとつが、最新の技術と独創的な設計を持ち寄ることによってわれわれが一体となって未来の水需要に応えられることを示している」

SIWWでSiemens Water Technologiesは、こうした顧客の主要プロジェクトに加えて、淡水化技術の最近の開発状況や膜技術の進展具合など、アジア太平洋地域における同社自身の研究開発活動についても積極的なアピールをおこなっている。その一環として、シンガポールにあるSiemens Water Technologiesのグローバル研究開発センターの専門技術者がSIWWにおいていくつかのプレゼンテーションをおこなう。同社は、ライフサイクル・コストの低減、エネルギー消費の削減、廃棄物の最少化、および水の再利用を重点に研究開発を進めている。