フロリダ州の大規模淡水化プロジェクト、費用は10億ドルとの見かたも

フロリダ州の地方紙The West Volusia Beaconが2009年5月11日に報じたところによると、同州Volusia郡は将来予想される水不足に対処するため、Coquina Coast淡水化プロジェクトやSeminole郡のYankee Lake浄水プロジェクトなどの選択肢を視野に、検討を進めている。

このうちCoquina Coast淡水化プロジェクトは、フロリダ州の5つの郡――Lake、Volusia、Marion、Flagler、およびSt. Johns――が2009年1月に計画に着手したものだ。Beacon紙によると、このプロジェクトの正確な費用はまだ算定されていないが、淡水化プラントの建設費が10億ドル(約950億円)にのぼるとの見かたもある。

 

この淡水化プロジェクトについての予備的な議論はまだつづいており、各郡も、この淡水化で得られた水を買うことの経済性を検討しているところだ。Volusia郡のGloria Marwickユーティリティ局長によれば、地下の帯水層から2000ガロンの水を得る費用が13.43ドル(約1280円)であるのに対し、Coquina Coast淡水化プロジェクトから同じ量の水を買うと40ドル(約3800円)かかるという。つまり、月に1万1000ガロンの水を使っているVolusia郡の平均的世帯で見ると、淡水化プロジェクトによる水を使う場合、水道料金が月平均で146.48ドル(約1万3950円)上がることになる。

Coquina Coastプロジェクトでは、淡水化プラントを建設する場所や淡水化の方式がまだ最終的に詰められているわけではない。Beacon紙の記事によれば、Volusia郡の北に隣接するFlagler郡の海岸地帯のどこが最終的に用地として選ばれるかは、まったく決まっていないという。また、淡水化プラントが陸上に建設されるか、あるいは海上に建設されるかもまだ決まっていない。

Volusia郡はまた、Coquina Coast淡水化プロジェクトとSeminole郡のYankee Lake浄水プロジェクトの環境面での影響も比較検討しているところである。Yankee Lakeのほうは、St. Johns川を水源とする浄水プロジェクトである。

Volsia郡ではさらに、灌漑用に再生処理水の使用量を増やしたり、水道利用者への節水の呼びかけを強化したりすることを検討している。

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