イスラエル、中国政府関係者の訪問を受け、巨大な中国市場にも応えられる高度な水処理技術を示す

イスラエルの水技術――海水淡水化、廃水処理、灌漑など――が、今後ますます中国市場で注目を集めるものと予想される。

2013年10月23日に報じられたところによると、10月20日の週に中国の当局関係者の大規模な使節団が水技術カンファレンスに出席するためイスラエルを訪れた。カンファレンスでは最新の水関連技術が展示され、その中には中国のニーズに合わせた形で最先端の水技術を展示するものもあった。

中国の高級官僚にイスラエルの最新技術を展示

中国政府(財政部および水利部)、山東省から派遣された高級官僚は、テル・アビブを訪れ、大規模な水技術カンファレンスに出席した。水の問題における中国とイスラエルの協力は、海水淡水化による飲用水生産、農業用の新たな灌漑技術、そして汚染の低減を目指す主要な取り組みなど、近年急速に拡大している。数多く存在するジョイントベンチャーのひとつが、「広東 中国―イスラエル 工業団地」である。
この工業団地のPan Huageng会長は次のように語った。「イスラエルは非常に高度な水処理技術を持っています。一方で中国には巨大な市場があります。事実、ここは世界最大の水処理市場の一つです。この工業団地はイスラエルの技術と中国の市場とを結びつけるためのプラットフォームとして機能することを目指しているのです」

深刻な水不足により技術革新を進展させたイスラエル

展示には、この工業団地で開発され、イスラエルを水分野における世界のリーダーに押し上げた新規の上水処理、廃水処理、灌漑技術も含まれていた。自国の水事情についてイスラエル経済省の Naftali Bennett大臣は次のように語った。「イスラエルは、水に恵まれた国ではありません。イスラエルには、水が豊富にない一方で多くの砂漠があります。我々は自ら水を生産する必要があるのです。イスラエルの都市用水は、その50%以上が脱塩水であり、農業用水は80%が再生水です」

世界40カ国で400のプラントを操業しているイスラエルの水大手、IDE Technologies社は、天津に中国最大の海水淡水化プラント(淡水の製造能力:20万m3/日)を建設している。同社のRon Yachini氏は次のように語った。「イスラエルが何年にもわたって深刻な水不足に見舞われたことは我々にとって極めて幸運なことでした。そのおかげで、わが国は水に関連する技術を大いに発展させることができたのですから。50年前、世界初の海水淡水化テストプラントが建設されたのもイスラエルでした」

予測される中国でのイスラエルの成長

イスラエルの国土の3分の2は砂漠であり、イスラエルの人々は半世紀以上にわたって水の問題に取り組んできた。今日、イスラエルの技術産業は世界で最も活発な部門の一つである。技術と水を結合させることで、イスラエルは水ソリューションの世界的に主要な国の一つになったといえる。イスラエルの技術はすでに、点滴灌漑(drip irrigation)、廃水管理と海水淡水化といった分野で中国全土にわたって導入されており、さらには今回のカンファレンスでその高い収益性が示されたことから、イスラエルは今後も右肩上がりの成長を実現すると見られている。