米ニュージャージー州、PFAS汚染について責任企業に浄化費用負担等を命令

米ニュージャージー州環境保護局(NJDEP)は2019年3月25日、州内で問題となっているペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS類)による環境汚染について、Solvay、DuPont、Dow DuPont、Chemours、および3Mの5社に対し、過去のPFAS類使用状況の報告や浄化等費用の負担などを求める命令を文書でおこなった。NJDEPのCatherine McCabe長官によれば、同州内のほぼ全水域を含む環境全般がPFAS類に汚染されているという。NJDEPは、PFAS汚染問題にこのような命令というかたちで対処するのは全米の州のなかでニュージャージー州が初めてだとしている。

5社への命令の概要

今回NJDEPが5社に対して発した命令は、概略以下のとおりである。

  • 5社はこの命令書を受け取ってから21日以内に、ニュージャージー州内におけるペルフルオロノナン酸(PFNA)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)などのPFAS類の過去の使用実績とそれらの短鎖代替物の現在の使用状況に関する情報をNJDEPに提供しなければならない。
  • 5社はまた、これら化学物質を環境から除去する作業について、その費用の支払い能力や作業遂行能力の概要を示さなければならない。
  • 費用負担についての命令内容は会社ごとに大きく異なるが、モニタリングとデータ提供の義務は、過去と現在のPFAS類使用状況によって多少の違いはあるものの、5社すべてにほぼ同様に課せられている。
  • 費用負担に関しては特にSolvayが、NJDEPによる過去の浄化等の費用として300万ドル(約3億3000万円)を超える金額を、命令書を受け取ってから30日以内に賠償金として支払わなければならないことになっている。
  • これら命令に従わない企業には、浄化等費用の負担額が3倍に増額され、かつ、1日あたり最高5万ドル(約560万円)の制裁金が科せられる。

5社に対する命令書は以下のURLで読むことができる。
https://www.nj.gov/dep/docs/statewide-pfas-directive-20190325.pdf