ブラジルの上下水道公社SANEPAR、汚水処理に新しい技術(次世代型SBR)を導入

ブラジルのパラナ州の上下水道公社SANEPARは2019年4月4日、サンタエレナとピニョンで次世代型の回分式活性汚泥法(SBR)を、またトレドで自然エアレーションプロセスを導入すると同社のサイトで発表した。

サンタエレナ汚水処理場はパラナ州の西海岸にある新しい汚水処理場で、同社の近代化方針に従ってより効率的な汚水処理システムを5月に導入する。同じ西部地域のトレドでは6500万人のトレド市南部の住民に対応するトレド川汚水処理場が稼働しているが、この二つの汚水処理場はどちらもモジュール型で、同社の従来の施設よりも効率が高く早い汚水処理が実現する。

新しいサンタエレナ汚水処理場では、既存のラグーン処理システムの代わりに2018年11月に設置が始まった回分式活性汚泥法(SBRにより、処理プロセスが改善されて悪臭問題が解決される。SBRは、一つの槽で脱水汚泥法とエアレーションによる処理を行うもので、既存システムにはない前処理も予定されている。

またサンタエレナ汚水処理場では、二つのリアクターが設置されて交互に稼働する。平均処理能力は30リットル/秒で、ピーク時には45リットル/秒まで対応でき、処理効率は95%に達する。プロセスは全て、容量200万リットルの二つのエナメル鋼のタンクで行われる。このシステムの大きな特徴は、サンタエレナの住民から苦情が出ていた悪臭をなくし、遠隔操作が可能で、処理効率が高いことにある。サンタエレナの下水収集率は80%で、処理率は100%となっている。SANEPARは、パラナ州の南部のピニョン市でも同様の処理場を立ち上げて、良好な結果を得ている。

一方トレド市では、トレド川汚水処理場が2018年6月から稼働している。この汚水処理場は処理能力が100リットル/秒で、50リットルのモジュールが二つ、6ヵ月の短期間で設置された。この汚水処理場では、物理化学的処理と浮遊生物処理に続いて自然エアレーション技術を使い、有機物を90%減らして凝集と分離処理で汚泥を除去する。この新しい汚水処理場により、SANEPARの水質基準を満たしていなかった同地域の他の5つの処理場をカバーすることが可能となった。

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