Veolia Water、サウジアラビア初の上下水道委託契約を獲得

Veolia Waterは2008年4月29日、傘下のVeolia Water AMIがサウジアラビアの水・電力省から首都リヤドの造水、配水、および下水集水の委託契約を獲得したことを明らかにした。サウジアラビアが水道サービスを民間に委託するのはこれがはじめてのことで、今回の契約は450万人というサービス人口の多さにおいても、また上水道ネットワークで総延長1万キロメートル、下水道ネットワークで総延長4500キロメートルというインフラの規模においても、きわめて重要な意味をもっている。

この6年契約のもと、Veolia Waterは運営実績およびコスト節減の達成度にリンクした報奨システム・ベースで国営水道会社にサービスを提供する。この契約によるVeolia Waterの累積売上は4000万ユーロ(約68億円)になるものと見積もられている。

リヤドはこの数年、人口においても経済においてもきわめて急速に成長してきた。リヤドの人口は年率約4%で増えつづけており、市街地の面積も記録的な勢いで拡大している。リヤドの市街地面積は、1980年代はじめには約20平方キロメートルにすぎなかったものが、現在はこれが536平方キロメートル(パリの5倍)に達し、ゆくゆくは2200平方キロメートルを超えるものと見られている。

 

この契約によりVeolia Waterは、リヤドの上下水道インフラの改修と増設、および運営方法の改善のためのきわめて大規模なプログラムの一翼を担うことになる。これは、急速な経済成長に見合う上下水道サービスの効率化をはかるためである。

具体的目標としては、現在50%を超えると見られている上水道の漏洩を減らすこと、下水道システムへの接続を増やすこと(2007年の下水道接続人口は200万人)、地域によっては4日に1度しか給水をうけられない現状を大幅に改め、連続給水を確保すること、顧客サービスを改善すること、などが挙げられている。

契約にもとづき、Veolia Waterは、管理者と運営の専門家から成るチームを編成し、給水ネットワークと下水集水システムの管理、造水プラントの管理、設備投資計画とプラントの監督、顧客管理、人材管理などの戦略的分野に配置する。このため、公共上下水道の分野で現在働いている約4000人の従業員を新たな経営組織に異動させる。長期的には、水道サービスの技術と管理に重点を置いた研修センターの設立も計画されている。

今回の契約獲得について、Veolia WaterのCEO、Antoine Frérotはつぎのように述べている。「人口の面でも経済の面でもきわめて力強い成長を見せているリヤドのような都市において、その発展にわれわれの専門的知見が貢献できることは、とりわけよろこばしい。サウジアラビアの首都でVeolia Waterが獲得したこの最初の契約は、湾岸諸国がサービスと快適な生活水準に関する住民の要求に応えるため、公共サービスの管理を民間に委託することに躊躇しなくなってきていることのあらわれだ」

 

2006年以来、Veolia Waterは中東における水道サービスの運営業者として事業を大幅に拡大してきた。2006年2月には、アラブ首長国連邦のアジュマーン首長国において、湾岸諸国としては初の下水集水システム管理の民間委託契約を獲得した。同年6月には、オマーンの首都マスカットにおいて国有のオマーン下水サービス会社から業績ベースの契約を獲得し、2007年1月には、同じくオマーンのSurにおいて逆浸透淡水化プラントの建設・運転契約を獲得した。さらに2007年12月には、アラブ首長国連邦のフジャイラ首長国において、Qidfa淡水化プラントを運転する契約を獲得した。

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