GEとシュルンベルジェ社、トータル・カーボン・ソリューションの推進で提携

GE Energyはこのほど、よりクリーンな石炭利用技術の推進を目的に、Schlumberger Carbon Servicesと炭素固定化の分野での提携に合意したことを明らかにした。これにより、炭素回収能力で実績のあるGEのガス化複合発電(IGCC)システムの技術と、二酸化炭素地中貯留のためのサイトの選定や特性評価などにおけるSchlumberger(シュルンベルジェ)の経験がひとつにむすびつくことになる。

GEはIGCC技術の開発と応用の分野で世界をリードする企業のひとつであり、いっぽうSchlumbergerは、地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の貯蔵に関する技術とプロジェクト管理に独自のノウハウをもっている。

 

今回の提携について、GE Energyのガス化部門のJohn Lavelle部長はこう述べている。「これは、IGCC技術の大手とCO2貯蔵の大手との提携としてははじめてのケースで、これにより、よりクリーンな石炭火力発電の実践的技術の開発と展開が加速され、適正な規制の枠組がつくりやすくなる」

Lavelle部長はさらにこういう。「GEは、炭素回収機能を備えたIGCCプラントを設計し、供給することができる。また、既存のプラントをそのように改良することもできる。今回の合意によりわれわれ2社は、炭素回収貯蔵(CCS)の技術で手をたずさえ、適正な規制の枠組のもとで容易に実現可能なIGCCとCCSを兼ね備えた費用効果性の高い完全なソリューションを、顧客に提供することができる」

 

この提携には、石炭火力発電を推進するための技術面および商業面での両社の専門性を結集できるという効果がある。しかし、これを大規模に推し進めていくためには、明確な規制と政策が必要である。GEのIGCCプラントは、はじめからCCS機能を備えたかたちで建設することもできるし、また、明確な政策と規制が打ち出されて環境が整った時点でCCS機能を付加するように設計しておくこともできる。

 

GE Energyは、1984年に運転を開始した最初のIGCCプラント、Cool Waterにタービンを供給して以来、つねにIGCC技術の最前線に立ってきた。また、フロリダ州のTECO Polk I発電所では、GEのIGCC技術による運転が12年以上つづいている。

GE Energyは現在、SOx、NOx、および粒子状物質の排出が天然ガス複合発電の域に近づきつつあるほどクリーンな商業規模のIGCCプラントを提供している。IGCC技術は、GEが標榜するエコマジネーションの重要な要素であり、水銀排出を規制する大気浄化水銀規則(CAMR)に準拠しているほか、水の使用量も従来の微粉炭発電プラントより少ない。この技術は、Duke Energy、AEP、Tenaskaなど、アメリカ東部の電力事業者に採用されている。

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