2008年オリンピックの開幕を3ヵ月後にひかえた北京で、Siemens Water Technologiesは同市内の北小河下水処理プラントの下水リサイクル・システムの運転を開始した。北京市は今後とも、上下水の管理において環境調和型の技術を採用していく予定で、最終的には下水の90%を処理し、うち50%をリサイクルすることを目標にしている。
Siemensが提供したソリューションはMemjet膜バイオリアクター(MBR)システムを使用しており、これで下水を処理してオリンピック選手村の中心部にある噴水や池に再利用する。この処理システムにより、北小河下水処理プラントの処理能力は日量4万立方メートルから10万立方メートルへと倍以上に増えた。
北小河のMemjet MBRシステムは生物学的処理と膜処理を組み合わせたもので、4864の膜をもつこのシステムは、この種のMBRシステムとしては世界最大級のものである。プラントを所有・管理する北京排水集団がこのシステムを選んだのは、従来の技術よりも60%の省スペースが実現でき、プラントの空きスペースにちょうど収まるというのがその理由だった。
このMBRシステムに加えて、Siemensはプロセス設計、機械装置類、電気および自動化システム、計装機器、設置の監督、運転・保守の訓練教育などの物品やサービスを提供した。
なお、このMBRシステムは日量6万立方メートルの下水を処理して再利用に供するが、そのうち1万立方メートルは逆浸透膜システムによりさらに処理され、噴水や「テーマ」湖の用水として供給される。