米国大都市の市長ら、上下水道などのインフラ整備のための銀行の新設を支持

カンザスシティ、ニューヨーク、ジャクソンヴィル、およびアトランタの各市長は2008年6月12日、上院銀行委員会の公聴会に出席し、Christopher Dodd委員長(民主党、コネチカット州選出)とChuck Hagel委員(共和党、ネブラスカ州選出)が提案した上下水道などのインフラ整備への資金供給を目的とする銀行新設法案に全面的賛意を表明した。4氏はさらに、インフラ整備の資金の手当てと優先順位付けにおいて連邦政府がより大きな役割を演じる必要があると述べた。

ミズーリ州カンザスシティのMark Funkhouser市長(民主党)は、「細切れの助成がたくさん実施されてはいるが、むしろ、国の経済全体を考えた国としての重点的な戦略がほしい」と述べた。

市長たちは、大都市圏のインフラは、商品と人の全国的な移動に使われる幹線道路にしろ、外国からの輸入品をさばく港湾にしろ、また主要都市をむすぶ鉄道にしろ、国全体にかかわる問題であることを指摘した。こうした全国的な影響ということを論拠に、市長たちは、道路、大量輸送、上下水道などのインフラへの出費における連邦政府のかかわりかたに一貫性がないとし、資金面での決定に政治的な動きが悪影響をおよぼしていると非難した。

「交通インフラの資金を管理するのに政治色のないシステムが必要だ」とFunkhouser市長は述べた。また、ニューヨーク市のMichael Bloomberg市長(無所属)も、「政治的思惑ではなく、メリットにもとづいてプロジェクトの資金手当てをする必要がある」と述べてこれに同意した。

 

市長らはまた、連邦政府の一貫性のない取り組みが原因で必要となっている巨額のインフラ資金についても触れた。

ニューヨークのBloomberg市長は、大量輸送システムの修理と拡張のために5年間に295億ドル(約3兆1200億円)、水インフラのためにさらに230億ドル(約2兆4000億円)が必要であると訴えた。

フロリダ州ジャクソンヴィルのJohn Peyton市長(共和党)は輸送インフラの資金として2030年までに26億ドル(約2700億円)が不足するとし、またカンザスシティのFunkhouser市長は、インフラの保守と拡張にまだ60億ドル(約6300億円)分のやり残しがあると述べた。さらに、アトランタのShirley Franklin市長(民主党)は、同市のインフラの未来について、「長期的に見ると、市の負担能力を超えるコストが必要になる」と述べた。

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