PFOAとPFOSの暴露安全濃度に関する「健康に関する勧告」――EPAが発表

飲料水の汚染に対するアラバマ州における懸念に応じて、環境保護庁(EPA)は、製造で使われている2種のパーフルオロ化学物質への短期の暴露についての推定安全濃度に関する暫定的な「健康に関する勧告(HA: health advisory)」を発表した。

これは、EPAの水局が2009年1月8日に発表したHAで、パーフルオロオクタン酸(PFOA)については0.4 ppb、またパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)については0.2 ppbという「アクション濃度(action level)」が示されている。

同庁は、この濃度を超えると、これら両物質への暴露を減らすための対策を講じるべきであるが、HAは、指針であって、法的強制力のある規則ではないと述べ、さらに、国中の多くの水道事業者はこのHAに対応して対策を講じなければならないと思うかもしれないが、そのように求められているわけではないとも述べた。

両物質の影響を受けたアラバマ州の2つの郡の水道で検出された両物質の濃度は、0.04 ppb未満で、EPAは、現時点では、この濃度は心配する濃度ではないので、住民は公共上水道を頼りにしてよいと考えているとHAには書かれている。

 

EPAにPFOAの規制を強く求めている環境保護団体、環境ワーキング・グループ(EWG)によると、上記両物質はほかのところでは懸念されている。

EWGは2009年1月15日、科学文献や政府の記録資料から得られた汚染のデータは、近年8つの州でPFOAは上記のHAのアクション濃度より高い濃度で水を汚染していることを示していると述べた。また、同グループによるワシントンD.C.の水道水の試験では、PFOAがHAのアクション濃度より高かったとも述べた。

EWGは、上記PFOAのHAを手ぬるい指針だと評しており、これではEPAが拘束力のある飲料水基準を設定し、地方政府が長期の全国的な水質試験を求める気にならないと述べている。

 

PFOAとその関連物質は、さまざまな製造工程で使われているが、もっとも目立つのはDuPontのテフロンの製造における使用である。

ウェストバージニア州のDuPontの施設の近傍で起こったPFOA汚染をめぐる訴訟の法廷による裁定において、科学委員会が提出した調査結果ではPFOAと病気の間に関連性が見出されるという結論は出されていない。

また、上記PFOAのHAによると、PFOA関連物質を与えられたマウスを使った調査では、肝腫大や成長と発達の遅れといった悪影響の可能性が示されているが、PFOAへの暴露の疫学調査では人々への健康影響については結論は出ていない。

EPA水局の科学技術局のSuzanne Rudzinski次長は、「上記HAは、両物質への長期あるいは一生の暴露レベルを扱ってはおらず、EPAはPFOAの長期リスクの推定の作業を始めたばかりで、結果が出るには約1年はかかるだろう」と述べた。

ところで、ニュージャージー州はPFOA の安全濃度として0.04 ppbという独自の推定値を策定したが、これは一生の暴露に基づいたものである。

最後に、EPAは、PFOAとその関連物質の工業における使用を段階的に廃止するための自主的なプログラムを設けたが、これまでにDuPont、3M Co.、Asahi Glass Co.Daikin America Inc.など8社が登録している。

なお、上記PFOAとPFOSのHAは、以下のウェブサイトで見られる。
http://www.epa.gov/waterscience/criteria/drinking/pha-PFOA_PFOS.pdf.

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