ポーランド政府は、EUの都市廃水指令(91/271/EEC)を遵守するため、2010年3月3日、都市廃水処理戦略を改正した。国家水資源管理委員会(KZGW)の広報官によると、この改正は、予算の増強を意味するわけではなく、優先順位をはっきりさせて資金を有効に利用することを目的としているとのことである。ポーランド政府は、同戦略のために110億ドル(約1兆円)の予算を計上している。
改正された都市廃水処理戦略には、1313の業務があげられており、それらの中には、569ヶ所の廃水処理施設の刷新および増強や177の新たな廃水処理施設の設置などがある。同戦略が実施された後には、全ポーランド国民3900万人のうちの2800万人が下水システムにアクセスできるようになり、都市人口のほぼ全てと農村人口の60%がカバーされることになる。
2004年、ポーランドを含む旧東欧諸国を中心に10ヶ国がEUに加盟したが、これら10ヶ国は、2015年までに同指令の要求事項を満たさなければならない。政府は、「同戦略の実施によって、ポーランド国内の河川の水質が向上し、バルト海の汚染も大幅に削減されるだろう」と語っている。