南アフリカ政府の水務省(Department of Water Affairs)は、2010年4月後半に発表した報告書Green Drop Report 2009(2009年グリーン・ドロップ報告)のなかで、同国の廃水処理システムで、満足できる基準を満たしているものは、半数に満たないと述べた。
国内の廃水処理システムに対する同省の信頼度を表すことを目的として、2008年8月~2009年9月に実施した評価の結果をまとめたこの報告書の要点は、次のとおり。
- 評価を受けたシステムのうち203カ所(45 %)のシステムだけが合格点を得た。その内訳は、7 %が、優れた管理をしていると分類されて、「グリーン・ドロップ」の認証資格を得、38 %が満足できる基準を満たしていた。
- 評価は、管理実務、モニタリング、水質、水法の遵守度などの7つの採点判断基準に基づいている。
- 南アフリカの852カ所の処理施設のうち449カ所のみが評価された。こういう結果になったのは、農村地域の自治体や小さな自治体の当局が、適切な技術を持った職員が十分にいないために、評価されることに自信がなかったり、施設が期待されている要件に従って管理されていなかったりすることなどで、多くの施設が、評価を受けるよう求められたのに、応答しなかったために、評価されなかったためである。
議会の野党のAnnette Lovemore議員は、声明書のなかで、「すべての施設のうち評価されたのは、53 %で、そのうち最高の基準を満たしていたのは、7 %だけということは、たった3.8 %の処理場だけが要件を完全に遵守していたということが明らかである」と述べた。
Buyelwa Sonjica水務相は2010年4月29日の声明のなかで、「この報告書によって明らかになった廃水処理場の管理の欠点を明確に認める。南アフリカの下水処理インフラの改良は、優先事項である。わが国の廃水処理場のこのような状態を確実に好転させるためにできる限りのことをする所存である」と述べた。
この報告書のなかで、水務省は、「南アフリカの廃水関係事業を確実に好転させるためにすべての水事業当局から持続可能な是正のための受け入れ可能な計画が提出されることを望んでいる。このような計画の実施は、監視され、実施できない場合は、しっかりした措置を講じるよう求められる」と述べている。